国籍法 第19条(省令への委任)


第19条
この法律に定めるもののほか、国籍の取得及び離脱に関する手続その他この法律の施行に関し必要な事項は、法務省令で定める


実際の手続等の詳細は省令で定められます。
省令⇒
国籍法施行規則

国籍法 第18条(法定代理人がする届出等)

 
第18条
 第3条第1項若しくは前条第1項の規定による国籍取得の届出、帰化の許可の申請、選択の宣言又は国籍離脱の届出は、国籍の取得、選択又は離脱をしようとする者が15歳未満であるときは、法定代理人が代わつてする。

国籍に関する申請・届出は本人が行うのが原則ですが、本人が15歳未満のときは、法定代理人が代わりにおこないます。

国籍法 第17条(国籍の再取得)


一旦日本国籍を失っても、届出によって日本国籍の再取得ができる場合があります。

第17条
 第12条の規定により日本の国籍を失つた者で20歳未満のものは、日本に住所を有するときは、法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を取得することができる。

外国で生まれるなどして外国籍を取得、日本国籍に関して「国籍留保届」を出していなかった場合です。20歳になる前に一旦は外国人として日本に入り、日本に住所を有していれば、届出で国籍を再取得できます。

2  第15条第2項の規定による催告を受けて同条第3項の規定により日本の国籍を失つた者は、第5条第1項第5号に掲げる条件を備えるときは、日本の国籍を失つたことを知つた時から1年以内に法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を取得することができる。ただし、天災その他その者の責めに帰することができない事由によつてその期間内に届け出ることができないときは、その期間は、これをすることができるに至つた時から一月とする。

法務大臣の国籍選択の催告にも関わらず、国籍選択をせず、日本国籍を失った場合です。第5条第1項第5号に掲げる条件、すなわち帰化の条件を満たしていれば、帰化申請ではなく、届出によって日本国籍を得ることができます。

3  前二項の規定による届出をした者は、その届出の時に日本の国籍を取得する。

国籍法 第16条


第16条
 選択の宣言をした日本国民は、外国の国籍の離脱に努めなければならない。

日本は二重国籍を認めていませんので、他国の国籍を選択した場合は同時に日本国籍を喪失します。しかし、国よっては二重国籍を認めている国もあれば、国籍の離脱を認めていない国もあります。そういう国の場合、日本国籍を選択しても、その国の国籍を離脱しません。実質的には二重国籍の状態が継続することになります。ただし、その場合も、「離脱の努力」はしなさいよ、ということです。

2  法務大臣は、選択の宣言をした日本国民で外国の国籍を失つていないものが自己の志望によりその外国の公務員の職(その国の国籍を有しない者であつても就任することができる職を除く。)に就任した場合において、その就任が日本の国籍を選択した趣旨に著しく反すると認めるときは、その者に対し日本の国籍の喪失の宣告をすることができる。

日本国籍を選択しながら、相手国の公務員になるということは、「離脱の努力」をしているとは言えませんから、それなら、日本国籍を捨てて、相手国籍を選んでください、ということです。

3  前項の宣告に係る聴聞の期日における審理は、公開により行わなければならない。

4  第二項の宣告は、官報に告示してしなければならない。

5  第二項の宣告を受けた者は、前項の告示の日に日本の国籍を失う

国籍法 第15条


第15条
 法務大臣は、外国の国籍を有する日本国民で前条第1項に定める期限内に日本の国籍の選択をしないものに対して、書面により、国籍の選択をすべきことを催告することができる。

2  前項に規定する催告は、これを受けるべき者の所在を知ることができないときその他書面によつてすることができないやむを得ない事情があるときは、催告すべき事項を官報に掲載してすることができる。この場合における催告は、官報に掲載された日の翌日に到達したものとみなす。

3  前二項の規定による催告を受けた者は、催告を受けた日から一月以内に日本の国籍の選択をしなければ、その期間が経過した時に日本の国籍を失う。ただし、その者が天災その他その責めに帰することができない事由によつてその期間内に日本の国籍の選択をすることができない場合において、その選択をすることができるに至つた時から2週間以内にこれをしたときは、この限りでない。


前条に書いた通り、日本は二重国籍を認めていないので、二重国籍になった場合は、一定の期日までに国籍を選択しなければなりません。選択をしない場合は、法務大臣は選択するように催告することができ、この催告に応えなかった場合は、もう一つの国籍を選択したものとし、日本国籍を喪失します。

国籍法 第14条(国籍の選択)

第14条
外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が20歳に達する以前であるときは22歳に達するまでに、その時が20歳に達した後であるときはその時から2年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。

2  日本の国籍の選択は、外国の国籍を離脱することによるほかは、戸籍法 の定めるところにより、、日本の国籍を選択し、かつ、外国の国籍を放棄する旨の宣言、(以下「選択の宣言」という。)をすることによつてする。

日本は二重国籍を認めていませんので、二重国籍となった場合は、どちらかを選択しなければなりません。

国籍法 第13条

第13条
外国の国籍を有する日本国民は、法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を離脱することができる


2 前項の規定による届出をした者は、その届出の時に日本の国籍を失う。

二重国籍の人が日本国籍を離脱することはできますが、日本国籍しか持たない者が日本国籍を離脱して無国籍になることはできません。  

国籍法 第12条

第12条
出生により外国の国籍を取得した日本国民で国外で生まれたものは、戸籍法 (昭和二十二年法律第二百二十四号)の定めるところにより
日本の国籍を留保する意思を表示しなければ、その出生の時にさかのぼつて日本の国籍を失う。


アメリカのような出生地主義を取る国で出生した場合、両親が日本人であったとしても、出生と同時にアメリカ国籍を取得します。この場合、在外日本公館等に「国籍留保届」をしないと、その子は日本国籍を失ってしまいます。
「国籍留保届」は出生届にその旨記入すれば足ります。

国籍法 第11条(国籍の喪失)


日本は二重国籍を認めていませんので、外国の国籍を取得すれば、同時に日本国籍を喪失します。

第11条  日本国民は、自己の志望によつて外国の国籍を取得したときは、日本の国籍を失う。

アメリカのような生地主義の国で出生し、アメリカ国籍を取得したような場合は、「自己の志望によつて外国の国籍を取得」したわけではないので、国籍は喪失しません。

2  外国の国籍を有する日本国民は、その外国の法令によりその国の国籍を選択したときは、日本の国籍を失う。


二重国籍になった者は一定の時期までに、国籍選択をしなければなりません。この際、外国の国籍を選択すると自動的に日本国籍を喪失します。

国籍法 第10条

第10条  法務大臣は、帰化を許可したときは、官報にその旨を告示しなければならない。
2  帰化は、前項の
告示の日から効力を生ずる。


帰化が許可されると官報に告示されます。その告示の日から日本人となります。
もし、帰化許可された人が告示の日に出産したとすると、その子は「日本人の子」となりますので、日本国籍を取得します。

国籍法 第9条

第9条
日本に特別の功労のある外国人については、法務大臣は、第5条第1項の規定にかかわらず、国会の承認を得て、その帰化を許可することができる。

「大帰化」と言われているものですが、これまで実際に適用された例はありません。

国籍法 第8条

帰化の条件のうち、住所要件「引き続き5年以上日本に住所を有する」、能力要件「20歳以上で本国法によつて行為能力を有する」、生計要件「自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができる」が軽減あるいは免除される者についての規定です。

第8条  次の各号の一に該当する外国人については、法務大臣は、その者が第5条第1項第一号、第二号及び第四号の条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。

日本国民の子(養子を除く)で日本に住所を有するもの

日本国民の養子引き続き1年以上日本に住所を有し、かつ、縁組の時本国法により未成年であつたもの

日本の国籍を失つた者(日本に帰化した後日本の国籍を失つた者を除く。)で日本に住所を有するもの

日本で生まれ、かつ、出生の時から国籍を有しない者でその時から引き続き3年以上日本に住所を有するもの

国籍法 第7条

第7条は日本人の配偶者の場合の住居要件・能力要件の緩和条項です。日本人の配偶者の場合、日本との結びつきが強く、帰化の必要性も高いと考えられるので、条件がかなり緩和されています。

第7条
日本国民の配偶者たる外国人で引き続き3年以上日本に住所又は居所を有し、かつ、現に日本に住所を有するものについては、法務大臣は、その者が第5条第1項第一号及び第二号の条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。日

国籍法 第6条

第6条には帰化条件の一つ「住所要件」(引き続き5年以上日本に住所を有すること)の例外が定められています。

第6条
次の各号の一に該当する外国人で現に日本に住所を有するものについては、法務大臣は、その者が前条第一項第一号に掲げる条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。

一  日本国民であつた者の子(養子を除く。)で引き続き3年以上日本に住所又は居所を有するもの


「日本国民であった者」というのは外国籍の国籍を取得するなどして日本国籍を失った者です。親は外国へ帰化して日本国籍を失ったけれども、その子が日本に来て、日本への帰化を希望するなら期間も短くなりますし、住所でなく居所でも良いということです。

二  日本で生まれた者で引き続き3年以上日本に住所若しくは居所を有し、又はその父若しくは母(養父母を除く。)が日本で生まれたもの

例えば、外国人夫婦が日本で子どもを出産。その子が大人になって来日。この場合、日本に地縁があるといえるので、住所要件が3年に短縮されます。

三  引き続き10年以上日本に居所を有する者

「住所」はなかったけれども「居所」としてはずっと日本にいたという場合も10年いれば帰化できます。ただし、申請時点では「住所」を有していることが必要です。

国籍法 第5条

第5条
法務大臣は、次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない。


条件を満たしていないならば帰化の許可をしてはいけないだけで、条件を満たしていれば許可をするというわけではありません。条件を満たす者から許可する者を選ぶのです。

一  引き続き5年以上日本に住所を有すること。

再入国許可を得て短期間出国したのは「引き続き住所を有する」とみなされます。また生活の本拠としての「住所」が必要であり、単なる「居所」ではだめです。

二  20歳以上で本国法によつて行為能力を有すること。

例えば18歳が成年とみなされる国の19歳の人でも「20歳以上」ではありませんから、帰化は許可されません。逆に22歳で成年とみなされる国の21歳の人も「本国法によって行為能力」を有しませんから、帰化はできません。

三  素行が善良であること。

道路交通法違反等の法令違反、納税義務違反などがあると帰化できません。

四  自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること。

生活保護を受ける等、公共の負担となる虞のある者は帰化できません。

五  国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によつてその国籍を失うべきこと。

日本は国籍唯一の原則を取っています。

六  日本国憲法 施行の日以後において、日本国憲法 又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。

これは、まあ、言うまでもないですね。

2  法務大臣は、外国人がその意思にかかわらずその国籍を失うことができない場合において、日本国民との親族関係又は境遇につき特別の事情があると認めるときは、その者が前項第五号に掲げる条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。

前述のとおり、日本は重国籍を認めていません。しかし、国によっては国籍の離脱を認めていない国もあり、そういう国の出身で日本人と結婚し、日本で生活しているにも関わらず、絶対に帰化できないというのは問題があるので作られた例外です。

国籍法 第4条(帰化)

第4条
日本国民でない者(以下「外国人」という。)は、帰化によつて、日本の国籍を取得することができる。

2  帰化をするには、法務大臣の許可を得なければならない。


外国人の方は帰化申請により日本国籍を取得することができます。許可の条件について、以下の条文に続きます。

国籍法 第3条(準正による国籍の取得)

第3条
父母の婚姻及びその認知により嫡出子たる身分を取得した子で20歳未満のもの(日本国民であつた者を除く。)は、認知をした父又は母が子の出生の時に日本国民であつた場合において、その父又は母が現に日本国民であるとき、又はその死亡の時に日本国民であつたときは、法務大臣に届け出ることによつて、日本の国籍を取得することができる。


結婚している夫婦の間の子どもを嫡出子と言います。結婚していない男女間に生まれた子どもを非嫡出子と言います。出産時には結婚していなかった男女が、出産後結婚すると「非嫡出子」が「嫡出子」になります。これを準正と言います。

結婚していない日本人男性と外国人女性の間に子どもが生まれた場合、胎児認知してあればその子は「日本人の子」として生まれてきましたので、日本国籍を取得します。しかし、誕生後、認知した場合は、その子は誕生時には「日本人の子」ではありませんから、日本国籍を取得できません。

しかし、その両親が結婚すると、
準正により、その子は嫡出子となり、届けをすることで日本国籍を取得することができます。

2  前項の規定による届出をした者は、その届出の時に日本の国籍を取得する。

国籍法 第2条(出生による国籍の取得)

第2条  子は、次の場合には、日本国民とする。
一  出生の時に父又は母が日本国民であるとき。

両親のどちらかが日本国民なら、その子は日本国民です。これを血統主義と言います。これに対してアメリカのように両親の国籍に関わらず、アメリカで生まれたらアメリカ国民になる国を生地主義と言います。
また、同じ血統主義でも以前の日本は父系血統主義でしたので、母親が日本国民でも、父親が日本国民でない場合、その子供は日本国民とはなりませんでした。


二  出生前に死亡した父が死亡の時に日本国民であつたとき。
出生時に亡くなっていても父が日本国民なら、その子は日本国民です。

三  日本で生まれた場合において、父母がともに知れないとき、又は国籍を有しないとき。
無国籍者となることを防ぐためです。

国籍法 第1条(目的)

第1条  日本国民たる要件は、この法律の定めるところによる。

「日本国民」とは何かを定めたのが、この法律です。第2条以下で述べられますが、「出生」「準正」「帰化」によって「日本国民」となります。
ここで注意してほしいのは、「日本国民」と「日本人」は別の概念だということです。帰化するということは「日本国民」になるということで、「日本人」になるわけではありません。

第三次出入国管理基本計画

第三次出入国管理基本計画が策定されました。
これは、入管法第61条の9で、「法務大臣は、出入国の公正な管理を図るため、外国人の入国及び在留の管理に関する施策の基本となるべき計画(以下「出入国管理基本計画」という。)を定めるものとする。」と規定されていることに、基づくものです。
出入国管理基本計画には
「一  本邦に入国し、在留する外国人の状況に関する事項
 二  外国人の入国及び在留の管理の指針となるべき事項
 三  前二号に掲げるもののほか、外国人の入国及び在留の管理に関する施策に関し必要な事項」
が定められます。

第二次出入国管理基本計画の策定が平成12年ですから、5年振りの策定ということになります。
前文については、こちらをご覧ください。

ポイントは次の通りです。
出入国管理行政の主要な課題と今後の方針
わが国が必要とする外国人の円滑な受入れ
(1)専門的・技術的分野の外国人労働者の受入れの推進
「長期出張者など新たな形態の在留活動に対応する在留資格」
「外国人医師・看護師の就労期間制限の緩和」
「在留資格要件の見直し」「在留期間の伸長」「永住許可要件の緩和と明確化・透明化」
(2)人口減少時代への対応
「現在では専門的、技術的分野に該当するとは評価されていない分野の外国人労働者受入れの検討」
(3)観光等による国際交流の拡大
「訪日外国人旅行者の円滑な出入国手続きの実施」
「ワーキングホリデー制度の対象国の拡大」
(4)留学生、就学生の適正な受入れ
「真にわが国での勉学を目的とし、勉学を継続できる環境の整っている留学生・就学生の受入れの推進と、留学生・就学生を偽装する外国人への厳格な対処」
(5)研修・技能実習制度の適正化
「制度の趣旨の周知・徹底」「実態調査の強化など厳格な審査」
「不正行為を行った機関への罰則強化」
(6)長期にわたりわが国に在留する外国人への対応
「永住許可要件の緩和と明確化・透明化」「手続きの簡素化・迅速化」
「外国人が住みやすい環境作り」
不法滞在者の縮減と治安の回復
(1)水際対策の推進
「厳格な上陸審査」
「バイオメトリクス(生体情報認証技術)の活用」
「事前旅客情報システム(APIS)など新たな手法の導入」
(2)厳格な在留審査
「在留資格取消制度の積極的活用」
(3)綿密な情報分析と関係機関と連係した強力な摘発
(4)収容施設の活用と早期送還の実施
「不法滞在者の送還の円滑化・迅速化」
(5)効率的な退去強制手続および違反抑止のための制度の見直し
「出国命令制度の活用」「在留特別許可案件の手続の簡素化」
(6)法律違反者の状況に配慮した取扱い
「在留特別許可の透明性を高める方策の検討」
「人身取引の結果として不法滞在となった外国人に対する適切な対応」
その他の主要な課題
(1)出入国管理体制の整備
「わが国が歓迎すべき外国人の受入れを一層積極的かつ円滑に進めるとともに、不法就労等を企図する外国人を確実に排除するための情報分析機能の強化」
(2)国際協力の更なる推進
「各種国際会議への積極的な参加」「積極的な情報交換」
(3)新たな難民認定制度の適正な運用
「難民を偽装する外国人の排除と真の難民の確実な庇護」
(4)外国人登録制度の適切な運用
「外国人登録事務の簡素・合理化」
「外国人登録証明書の偽変造や悪用の防止対策の推進」

前文はこちらからご覧ください。

「留学」と「就学}

最初に取り上げるのは、「留学」と「就学」です。
どちらも日本国内にある学校で学ぶ外国人学生に与えられる在留資格ですが、その学生が通っている学校によって区別されます。

入管法別表第一の四では次のように規定されています。
「留学」・・・「本邦の大学若しくはこれに準ずる機関、専修学校の専門課程、外国において十二年の学校教育を修了した者に対して本邦の大学に入学するための教育を行う機関又は高等専門学校において教育を受ける活動」
「就学」・・・「本邦の高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)若しくは盲学校、聾学校若しくは養護学校の高等部、専修学校の高等課程若しくは一般課程又は各種学校(この表の留学の項の下欄に規定する機関を除く。)若しくは設備及び編制に関してこれに準ずる教育機関において教育を受ける活動」

簡単に言うと、大学・専門学校は「留学」、それ以外の学校は「就学」です。
で、実際には「就学」のほとんどはいわゆる日本語学校で学ぶ外国人学生に与えられています。
日本語学校の多くは株式会社、有限会社、個人が運営していますので、各種学校になるわけです。
同じように日本語を勉強していても、専門学校の日本語科、大学の留学生別科で学んでいる学生は大学・専門学校の学生ですので、在留資格は「留学」です。

在留資格の違いにより、次のような違いが出てきます。

1.日本語を勉強したあと、大学学部・大学院・専門学校などに進学する場合
「就学」の学生は在留資格が「留学」に変わります。そこで在留資格変更許可申請が必要になります。
これに対して「留学」の学生の場合は、進学しても「留学」のままなので在留期間更新許可申請を行うことになります。

2.在留期間
「就学」の在留期間は1年または6ヶ月ですが、「留学」の在留期間は2年または1年です。

3.資格外活動
「留学」も「就学」も就労を認められない在留資格ですが、資格外活動の許可を受けることによって、ある一定の範囲内・時間内で働くことができます。
「就学」の場合は、1日4時間以内ですが、「留学」の場合は1週28時間以内(学校の長期休業中は1日8時間以内)です。
「留学」の場合も「就学」の場合も風俗営業店で働くことはできません。
ここで言う「風俗営業」はいわゆる性風俗店だけではなく、パチンコ店・マージャン店なども含まれますので注意が必要です。
店内で働いているだけでなく、ティッシュを配ったりしてる場合も該当します。

最後に、話が変わりますが、もう一度上に書いた「入管法別表第一の四」の「就学」の規定をご覧ください。
この在留資格を取得できるのは高校生以上なのです。
つまり、小学生・中学生が単独で日本へ来て、日本の学校で勉強するという在留資格はないことになります。
もちろん、「家族滞在」等の在留資格で学校に通うことは何の問題もありません。

在留資格と査証(ビザ)

よく「ビザの更新」とか「ビザの変更」という言い方をします。
厳密に言うとこれは間違いです。
「ビザ(査証)」は通常1回きりのもので、日本に上陸した時点で「USED」のスタンプを押され、それで終わりになるからです。
「更新」や「変更」は存在しません。
「ビザ(査証)」は在外日本公館が与える推薦状のようなものなので、上陸審査が終われば無用のものとなるのです。
上陸審査を経て、上陸許可を与えられると、同時に「在留資格」を与えられるわけです。

例えると、大学の入学試験の時に高校の先生が書く「推薦状」が「ビザ(査証)」で、
大学入学後の「学生証」が「在留資格」です。

じゃ、なぜそんな「推薦状」=「ビザ(査証)」が必要なのか。
一番大切なのはパスポートが本物かどうかの証明です。
世界には何百と言う国があります。
日本で上陸審査をする人が、それら全てのパスポートの様式を覚えておくことは不可能です。
そこで、現地の日本大使館員がそのパスポートの有効性を証明するわけです。
他にも例えば、その人の住所なんかも、日本にいるとそもそもそんな住所があるのかどうか、大学だってそんな大学が存在するのかどうか、全く分からないので、それを現地で証明するわけです。

で、今度はその人が日本で何をするのか審査しなければなりません。
学生だったらそんな学校が本当にあるのかどうか、条件にあった学校なのか、働くのならその会社がどこにあるのか、規模や労働条件は適当かどうか。
これらは日本側が審査します。
審査の結果、条件を満たしていれば与えられるのが「在留資格」です。

うまく説明できたか自信がありませんが、とりあえず「在留資格」と「ビザ(査証)」は違うものだということは理解してもらえたでしょうか。
通常は別にそんなに区別しなくてもあまり問題はありませんが、実際の手続き上ではこれをしっかり区別して理解していないと、話が分からなくなってしまうことが多々あります。
正確には区別しなくても構いませんので、とりあえず「在留資格」と「ビザ(査証)」は別のものなのだということだけは、頭の片隅にでも入れておいてください。

第78条(不法入国等に使用された船舶・車両等の没収)

不法入国、集団密航等に使用された船舶・車両等は没収されます。

第78条  第70条第1項第1号、第74条、第74条の2又は第74条の4の犯罪行為の用に供した船舶等又は車両で、犯人の所有又は占有に係るものは、没収する。ただし、その船舶等又は車両が犯人以外の者の所有に係り、かつ、その者が次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。

一  第70条第1項第1号、第74四条、第74条の2又は第74条の4の犯罪が行われることをあらかじめ知らないでその犯罪が行われた時から引き続きその船舶等又は車両を所有していると認められるとき。

二  前号に規定する犯罪が行われた後、その情を知らないでその船舶等又は車両を取得したと認められるとき。

第77条の2(過料−特別永住者の旅券等の不携帯)

第77条の2  特別永住者が第23条第1項の規定に違反して旅券又は許可書を携帯しなかつたときは、10万円以下の過料に処する。

特別永住者以外が「罰金」であるのに対し、特別永住者の場合は「過料」です。
「罰金」が刑事罰であるのに対し、「過料」は行政罰です。
なお、特別永住者というのはいわゆる「在日」の方のことを指します。

第77条(過料−運送業者・船舶の長等の義務違反)

入管法では運送業者・船舶等の長に対していくつかの義務が課せられています。
この義務に違反した場合は、過料が課せられます。

(過料)
第77条  次の各号のいずれかに該当する者は、50万円以下の過料に処する。

一  第56条の規定に違反して入国審査官の行う審査その他入国審査官の職務の執行を拒み、又は妨げた者
二  第57条第1項の規定に違反して名簿の提出を拒み、若しくは名簿を提出せず、同条第2項若しくは第3項の規定に違反して報告せず、又は同条第4項の規定に違反して報告を拒み、若しくは報告をしなかつた者
三  第58条の規定に違反して上陸することを防止しなかつた者
四  第59条の規定に違反して送還を怠つた者

第76条の2(両罰規定)

不法就労・集団密航などに関わった場合、実行した者だけではなく実行者の所属する法人も処罰の対象になります。
例えば、不法就労者の雇用をした場合に雇用担当者だけでなくその会社自体が処罰の対象になりますし、密航者を乗せて車で移動した場合は運転者だけでなく、運転者が所属する法人も処罰の対象になるということです。

第76条の2  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して第73条の2から第74条の6まで又は第74条の8の罪を犯したときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、各本条の罰金刑を科する

第76条(罰則−旅券等の不携帯・提示許否)

外国人は日本にいる間、常にパスポート等を持ち歩き、入国審査官、入国警備官、警察官、海上保安官等に見せるように言われたら、必ず見せなければなりません。
これに違反すると、罰金になります。
ただし、外国人登録をして、外国人登録証を持ち歩いていれば、パスポート等を持ち歩く必要はありません。

第76条  次の各号のいずれかに該当する者は、10万円以下の罰金に処する。

一  第23条第1項の規定に違反して旅券又は許可書を携帯しなかつた者(特別永住者を除く。)
二  第23条第2項の規定に違反して旅券又は許可書の提示を拒んだ者

第75条(罰則−口頭審理での不出頭、宣誓・証言許否、虚偽証言)

上陸審査で口答審理に回された者、退去強制事由に該当し口頭審理に回された者が、呼び出し期日に出頭しなかったり、宣誓や証言を拒否したり、虚偽の証言をしたら罰せられます。

第75条  第10条第5項(第48条第5項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、正当な理由がなくて出頭せず、宣誓若しくは証言を拒み、又は虚偽の証言をした者は、20万円以下の罰金に処する。

第74条の8(罰則−強制退去者の蔵匿・隠避)

退去強制者を逃がすために、かくまったりした人は罰則の対象です。

第74条の8  退去強制を免れさせる目的で、第24条第1号又は第2号に該当する外国人を蔵匿し、又は隠避させた者は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

2  営利の目的で前項の罪を犯した者は、5年以下の懲役及び300万円以下の罰金に処する。

3  前二項の罪の未遂は、罰する

第74条の7(罰則−国外犯)

第74条の7  第73条の2第1項第2号及び第3号、第74条の2(本邦内における輸送に係る部分を除く。)、第74条の3並びに前条の罪は、刑法第2条 の例に従う

「刑法第2条の例に従う」というのは、違反者が国外にいる場合も日本法を適用し、罰則の対象にするということです。

この対象になるのは、下記の通りです。
「第73条の2第1項第2号及び第3号」
…「外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置いた者」
…「業として、外国人に不法就労活動をさせる行為又は前号の行為に関しあつせんした者」

「第74条の2」
…「自己の支配又は管理の下にある集団密航者を本邦に向けて輸送し」た者

「第74条の3」
…「船舶等を準備した者」

「第74条の6」
…「不法入国の幇助」

第74条の6の3

   前条の罪

第74条の6の2

   次の各号

第74条の6(罰則−不法入国の営利目的での幇助)

「第70条第1項第1号又は第2号」すなわち不法入国の手助けを営利目的でした場合に罰則があります。
偽造した旅券・乗員手帳を提供した者も同様です。

第74条の6  営利の目的で第70条第1項第1号又は第2号に規定する行為の実行を容易にした者は、3年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。所持人について効力を有しない旅券若しくは乗員手帳又は旅券若しくは乗員手帳として偽造された文書を提供して、当該行為の実行を容易にした者も、同様とする。

第74条の5(罰則−集団密航収受等の予備)

集団密航者の受け入れ側として準備していた者も罰則の対象です。

第74条の5  前条第1項又は第2項の罪を犯す目的で、その予備をした者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。

第74条の4(罰則−集団密航者の収受・輸送・蔵匿・隠避)

前条までは集団密航者と集団密航者の送り出し側に対する罰則でした。
本状は受け入れ側に対する罰則です。
集団密航者を移動させたり、匿ったりすると罰則の対象になります。

第74条の4  第74条第1項又は第2項の罪を犯した者からその上陸させた外国人の全部若しくは一部を収受し、又はその収受した外国人を輸送し、蔵匿し、若しくは隠避させた者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。当該外国人の全部若しくは一部を、これを収受した者から収受し、又はその収受した外国人を輸送し、蔵匿し、若しくは隠避させた者も、同様とする。

2  営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上10年以下の懲役及び1000万円以下の罰金に処する。

3  前二項の罪の未遂は、罰する。

第74条の3(罰則−集団密航者への船舶等の提供)

第74条の3  第74条第1項若しくは第2項又は前条の罪を犯す目的で、その用に供する船舶等を準備した者は、2年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処する。情を知つて、その用に供する船舶等を提供した者も、同様とする。

「その用に供する船舶等を準備」「その用に供する船舶等を提供」すなわち、集団密航者へ船などを準備・提供した者も罰則の対象になるということです。

第74条の2(罰則−集団密航者を輸送した者)

集団密航をした者、集団密航を手伝った者以外に、集合密航者を輸送した者も罰則の対象です。
集団密航者を乗せてきた船の船長等も罰則の対象になるということです。

第74条の2  自己の支配又は管理の下にある集団密航者を本邦に向けて輸送し、又は本邦内において上陸の場所に向けて輸送した者は、3年以下の懲役又は200万円以下の罰金に処する。

2  営利の目的で前項の罪を犯した者は、7年以下の懲役及び500万円以下の罰金に処する。

第74条(罰則−集団密航助長罪)

集団密航をした人だけでなく、させた人も罰せられます。
特に、営利目的で行った場合は罰則が重くなっています。

第74条  自己の支配又は管理の下にある集団密航者(入国審査官から上陸の許可等を受けないで、又は偽りその他不正の手段により入国審査官から上陸の許可等を受けて本邦に上陸する目的を有する集合した外国人をいう。以下同じ。)を本邦に入らせ、又は上陸させた者は、5年以下の懲役又は300万円以下の罰金に処する。

2  営利の目的で前項の罪を犯した者は、1年以上10年以下の懲役及び1000万円以下の罰金に処する。

3  前二項の罪(本邦に上陸させる行為に係る部分に限る。)の未遂は、罰する。

第73条の2(罰則−不法就労助長罪)

不法就労した外国人だけでなく、不法就労させた企業も罰せられます。
今回の改正で罰金も300万円に引き上げられています。ご注意下さい。

ここでいう不法就労とは、密入国者・不法残留者等の在留資格を持たない外国人を雇用することだけでなく、留学生等在留資格はあるが資格外活動許可を取っていない者を雇用したり、資格外活動許可はあるが、許可されている時間以上勤務させることを含みます。

第73条の2  次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一  事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせた者
二  外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置いた者
三  業として、外国人に不法就労活動をさせる行為又は前号の行為に関しあつせんした者

2  前項において、不法就労活動とは、第19条第1項の規定に違反する活動又は第70条第1項第1号から第3号の2まで、第5号、第7号、第7号の2若しくは第8号の2から第8号の4までに掲げる者が行う活動であつて報酬その他の収入を伴うものをいう。

第73条(罰金−資格外活動)

資格外活動に関する罰則です。

第73条  第70条第1項第4号に該当する場合を除き、第19条第1項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行つた者は、1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは200万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。

「第70条第1項第4号」も資格外活動に関する罰則を定めています。
違いは「第70条第1項第4号」がそのような「活動を専ら行つていると明らかに認められる者」であるのに対し、第73条は「活動を行つた者」である点です。

単純にいうと留学生が学校にも行かず、毎日長時間のアルバイトをしていれば、これは「学生」とは呼べませんので、「第70条第1項第4号」により罰金300万円です。
学校にもきちんと通っているけれど、アルバイトの時間が規定より長かったという場合は、第73条により罰金200万円になります。

第72条(罰金−逃亡の場合)

第72条  次の各号のいずれかに該当する者は、1年以下の懲役若しくは20万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

一  収容令書又は退去強制令書によつて身柄を拘束されている者で逃走したもの

二  第52条第6項の規定により放免された者で、同項の規定に基づき付された条件に違反して、逃亡し、又は正当な理由がなくて呼出しに応じないもの
仮放免中に逃亡した場合です。

三  一時庇護のための上陸の許可を受けた者で、第18条の2第3項の規定に基づき付された条件に違反して逃亡したもの

三の二  第55条の3第1項の規定により出国命令を受けた者で、同条第3項の規定に基づき付された条件に違反して逃亡したもの

三の三  第61条の2の4第1項の許可を受けた者で、同条第3項の規定に基づき付された条件に違反して、逃亡し、又は正当な理由がなくて呼出しに応じないもの
仮滞在中に逃亡した場合です。

四  第61条の2の7第3項の規定又は第61条の2の13の規定に違反して難民旅行証明書又は難民旅行証明書を返納しなかつた者

五  第61条の2の12第8項の規定ににより難民旅行証明書の返納を命ぜられた者で、同項の規定により付された期限内にこれを返納しなかつたもの

第71条(罰金−密出国)

外国人の場合も日本人の場合も、日本から出る場合には決められた手続きをしなければなりません。これらの手続きをしなかった場合は罰則があります。

第71条  第25条第2項又は第60条第2項の規定に違反して出国し、又は出国することを企てた者は、1年以下の懲役若しくは禁錮若しくは30万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。

第70条の2(罰金の免除−難民の場合)

第70条の2  前条第1項第1号、第2号、第5号若しくは第7号又は同条第2項の罪を犯した者については、次の各号に該当することの証明があつたときは、その刑を免除する。ただし、当該罪に係る行為をした後遅滞なく入国審査官の面前において、次の各号に該当することの申出をした場合に限る。

一  難民であること。
二  その者の生命、身体又は身体の自由が難民条約第一条A(2)に規定する理由によつて害されるおそれのあつた領域から、直接本邦に入つたものであること。
三  前号のおそれがあることにより当該罪に係る行為をしたものであること。


不法入国・不法残留の罰則は、難民であることを証明されれば免除されます。

第70条(罰則・不法入国・不法残留の場合等)

第70条からは第9章に入ります。第9章は「罰則」の規定です。
今回の入管法改正では罰金額の上限が大きく引き上げられています。
第70条では不法入国罪等の罰金額上限が300万円に引き上げられています。

第70条  次の各号のいずれかに該当する者は、3年以下の懲役若しくは禁錮若しくは300万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁錮及び罰金を併科する。

一  第3条の規定に違反して本邦に入つた者
偽造旅券などで入国した人のことです。

二  入国審査官から上陸の許可等を受けないで本邦に上陸した者
密入国などをした人のことです。

三  第22条の4第1項(第一号又は第二号に係るものに限る。)の規定により在留資格を取り消された者で本邦に残留するもの
今回の法改正により新設された「在留資格取消制度」により、在留資格を取り消されたのに出国せず、日本に残留する人のことです。

三の二  第22条の4第6項(第61条の2の8第2項において準用する場合を含む。)の規定により期間の指定を受けた者で、当該期間を経過して本邦に残留するもの
在留資格を取り消され、指定された日までに出国しなかった人のことです。

四  第19条第1項の規定に違反して収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を専ら行つていると明らかに認められる者
資格外活動違反です。留学生が風俗営業の店で働いたり、決められた時間以上労働した場合です。

五  在留期間の更新又は変更を受けないで在留期間を経過して本邦に残留する者
いわゆる不法残留(オーバーステイ)です。

六  仮上陸の許可を受けた者で、第13条第3項の規定に基づき付された条件に違反して、逃亡し、又は正当な理由がなくて呼出しに応じないもの
七  寄港地上陸の許可、通過上陸の許可、乗員上陸の許可、緊急上陸の許可、遭難による上陸の許可又は一時庇護のための上陸の許可を受けた者で、旅券又は当該許可書に記載された期間を経過して本邦に残留するもの
七の二  第16条第7項の規定により期間の指定を受けた者で当該期間内に帰船し又は出国しないもの
臨時に特別に上陸を許可されたのに期日までに戻ってこなかった場合です。

八  第22条の2第1項に規定する者で、同条第3項において準用する第20条第3項及び第4項の規定又は第22条の2第4項において準用する第22条第2項及び第3項の規定による許可を受けないで、第22条の2第1項に規定する期間を経過して本邦に残留するもの
外国人夫婦の間に生まれた子供の在留資格取得申請を出生後30日以内に行わなかった場合です。

八の二  第55条の3第1項の規定により出国命令を受けた者で、当該出国命令に係る出国期限を経過して本邦に残留するもの
今回の法改正により新設された「出国命令制度」により、自ら出頭しながら期限までに出国しなかった人です。

八の三  第55条の6の規定により出国命令を取り消された者で本邦に残留するもの
出国命令を取り消され、そのまま日本に居続ける人です。

八の四  第61条の2の4第1項の許可を受けた者で、仮滞在期間を経過して本邦に残留するもの
難民認定申請中の仮滞在期間を過ぎた人です。

九  偽りその他不正の手段により難民の認定を受けた者

2  前項第一号又は第二号に掲げる者が、本邦に上陸した後引き続き不法に在留するときも、同項と同様とする。
不法入国・密入国に時効が働かないようこの規定がおかれています。

第69条の3(経過措置)

第69条の3  出入国管理及び難民認定法の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

法律が改正された時は「附則」として施行期日、経過措置が定められます。
これは省令・政令の場合も同じです。
ルールが変わったら、それをみんなに知らせる時間が必要だし、しばらくは例外も必要になるということです。

第69条の2(権限の委任)

第69条の2  出入国管理及び難民認定法に規定する法務大臣の権限は、法務省令で定めるところにより、地方入国管理局長に委任することができる。ただし、第22条第2項(第22条条の2第4項(第22条の3において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)に規定する権限及び第22条の4第1項に規定する権限(永住者の在留資格に係るものに限る。)並びに第61条の2の2第1項及び第61条の2の5に規定する権限については、この限りでない。

委任できない権限は
1.永住許可・出生等による永住資格の取得
2.難民に対する永住許可
3.難民認定の取消
です。

第69条(省令への辞任)

第69条  第2章からこの章までの規定の実施のための手続その他その執行について必要な事項は、法務省令で定める。

これにより定められているのが「出入国管理及び難民認定法施行規則」です。今回の入管法の改正に伴い「施行規則」にも変更が加えられています。

第68条(難民旅行証明書の手数料)

第68条  外国人は、第61条の2の12第一項の規定により難民旅行証明書の交付を受け、又は同条第7項の規定により難民旅行証明書に有効期間の延長の記載を受けるときは、手数料を納付しなければならない。

2  前項に規定する手数料の額は、難民条約附属書第3項の定めるところにより、別に政令で定める。


「出入国管理及び難民認定法関係手数料令」により、難民旅行証明書の交付手数料は5千円と定められています。

第67条の2(就労資格証明書の手数料)

第67条の2  外国人は、第19条の2第1項の規定により就労資格証明書の交付を受けるときは、実費を勘案して別に政令で定める額の手数料を納付しなければならない。

就労資格証明書の交付手数料は「出入国管理及び難民認定法関係手数料令」により、680円と定められています。

第67条(手数料)

第67条  外国人は、次に掲げる許可を受ける場合には、当該許可に係る記載、交付又は証印の時に、1万円を超えない範囲内において別に政令で定める額の手数料を納付しなければならない。

一  第20条の規定による在留資格の変更の許可
二  第21条の規定による在留期間の更新の許可
三  第22条の規定による永住許可
四  第26条の規定による再入国の許可(有効期間の延長の許可を含む。)

「出入国管理及び難民認定法関係手数料令」により下記のように規定されています。

1.在留資格の変更の許可 4千円
2.在留期間の更新の許可 4千円
3.永住許可 8千円
4.再入国(数次再入国を除く。)の許可 3千円
5.数次再入国の許可 6千円

なお、在留資格認定証明書の交付には手数料はかかりません。
また、「許可」の手数料ですから、「不許可」の場合、手数料はかかりません。

第66条(報償金)

不法滞在者を発見し、入管へ通報した人に対して、その通報に基づいて退去強制が行われたら、5万円以下の報償金が支払われます。
但し、「国又は地方公共団体の職員」の場合は通報は義務なので報償金はありません。

第66条  第62条第1項の規定による通報をした者がある場合において、その通報に基いて退去強制令書が発付されたときは、法務大臣は、法務省令で定めるところにより、その通報者に対し、5万円以下の金額を報償金として交付することができる。但し、通報が国又は地方公共団体の職員がその職務の遂行に伴い知り得た事実に基くものであるときは、この限りでない。

「法務省令で定めるところにより」
出入国管理及び難民認定法施行規則の第60条でこの報償金の金額は「一件につき千円以上5万円以下」と定められています。
 

第65条(刑事訴訟法の特例)

   司法警察官は、

第64条(身柄の引渡)

   検察官は、

第63条(刑事手続との関係)

   退去強制対象者

第62条(通報)

神奈川県警の警部補が不法滞在の韓国人女性と婚姻し、書類送検されるという事件がありました。
毎日新聞
http://www.mainichi-msn.co.jp/search/html/news/2004/12/25/20041225ddlk14040279000c.html
この警部補はなぜ書類送検されたのでしょうか。
その理由がこの条文の第2項にあります。

第62条  何人も、第24条各号の一に該当すると思料する外国人を知つたときは、その旨を通報することができる。

「第24条各号の一に該当すると思料する外国人」というのは、不法滞在等、退去強制事由に該当する外国人のことです。
そういう人の存在を知ったら一般の人は入管に通報することができます。
入管のサイトには
情報受付の窓口があります。
しかし、これは義務ではありませんので、通報しなくても何の問題もありません。


2  国又は地方公共団体の職員は、その職務を遂行するに当つて前項の外国人を知つたときは、その旨を通報しなければならない。

一般の方の通報は義務ではありませんが、「国又は地方公共団体の職員」の場合、通報は義務です。
今回書類送検された警部補の場合は、この義務を果たさなかったことが「不法残留ほう助」にあたるとされたわけです。


3  矯正施設の長(支所及び分院の長を含む。以下同じ。)は、第1項の外国人が刑の執行を受けている場合において、刑期の満了、刑の執行の停止その他の事由(仮出獄を除く。)により釈放されるとき、又は少年法第24条第1項第3号 若しくは売春防止法 (昭和31年法律第118号)第17条 の処分を受けて退院するときは、直ちにその旨を通報しなければならない。

4  地方更生保護委員会は、第1項の外国人が刑の執行を受けている場合又は少年法第24条第1項第3号 の処分を受けて少年院に在院している場合若しくは売春防止法第17条 の処分を受けて婦人補導院に在院している場合において、当該外国人について仮出獄又は仮退院の許可決定をしたときは、直ちにその旨を通報しなければならない。

刑法違反と退去強制は別の手続きです。
刑法違反による処分が終わったら、次は退去強制されます。
そのため、収容施設から出るとき、その収容施設から入管へ連絡するという規定です。
なお、刑事手続と入管法の関係は次の第63条に書かれています。


5  前4項の通報は、書面又は口頭をもつて、所轄の入国審査官又は入国警備官に対してしなければならない。

第61条の11

第61条の11  法務大臣は、出入国管理基本計画に基づいて、外国人の出入国を公正に管理するよう努めなければならない。

第2次出入国管理基本計画(法務省告示第119号)はこちらです。

第61条の9(情報提供)

第61条の10  法務大臣は、出入国の公正な管理を図るため、外国人の入国及び在留の管理に関する施策の基本となるべき計画(以下「出入国管理基本計画」という。)を定めるものとする。

2  出入国管理基本計画に定める事項は、次のとおりとする。

一  本邦に入国し、在留する外国人の状況に関する事項
二  外国人の入国及び在留の管理の指針となるべき事項
三  前二号に掲げるもののほか、外国人の入国及び在留の管理に関する施策に関し必要な事項

3  法務大臣は、出入国管理基本計画を定めるに当たつては、あらかじめ、関係行政機関の長と協議するものとする。

4  法務大臣は、出入国管理基本計画を定めたときは、遅滞なく、その概要を公表するものとする。

5  前二項の規定は、出入国管理基本計画の変更について準用する。

第61条の8(関係行政機関の協力)

   法務省の内部部局として

第61条の7(被収容者の処遇)

   入国者収容所又は収容場に収容されている者

第61条の6(収容場)

   地方入国管理局に、収容令書の執行を受ける者を収容する収容場を設ける。

第61条の5(制服及び証票)

   入国審査官及び

第61条の3の2(入国警備官)

   入国者収容所及び

第61条の3(入国審査官)

   入国者収容所及び

第61条の2の11(難民に関する永住許可の特則)

   難民の認定を受けている者から

第61条の2の9(異議申立て)

   次に掲げる処分に

第61条の2の6(退去強制手続との関係)

   第61条の2の2第一項又は

第61条の2の3

前条の続きと言える条文です。
難民の認定を受けた人が、「定住者」への在留資格変更を申請すれば、他の条文の規定に関係なく認められます。
難民には一律「定住者」の在留資格が認められる、ということです。

第61条の2の3  法務大臣は、難民の認定を受けている外国人(前条第二項の許可により在留資格を取得した者を除く。)から、第20条第2項の規定による定住者の在留資格への変更の申請があつたとき、又は第22条の2第2項(第22条の3において準用する場合を含む。)の規定による定住者の在留資格の取得の申請があつたときは、第20条第3項(第22条の2第3項(第22条の3において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、当該外国人が前条第1項第1号に該当する場合を除き、これを許可するものとする。

第61条の2の2(在留資格に係る許可)

今回の改正により加えられた条文です。
難民の認定を受けた場合に、一定の条件を満たせば一律に「定住者」の在留資格を認めることになりました。
これは難民の法的地位を早期に安定させることを目的としています。

(在留資格に係る許可)
第61条の2の2  法務大臣は、前条第1項の規定により難民の認定をする場合であつて、同項の申請をした外国人が在留資格未取得外国人(別表第一又は別表第二の上欄の在留資格をもつて本邦に在留する者、一時庇護のための上陸の許可を受けた者で当該許可書に記載された期間を経過していないもの及び特別永住者以外の者をいう。以下同じ。)であるときは、当該在留資格未取得外国人が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、その者に定住者の在留資格の取得を許可するものとする。

下記に該当する人は在留資格を付与されません。
1.上陸後、6ヶ月以上たって申請した人。
2.他国を経由してから日本へ入った人。
3.退去強制事由に該当する人
4. 刑法犯罪を犯した人


一  本邦に上陸した日(本邦にある間に難民となる事由が生じた者にあつては、その事実を知つた日)から六月を経過した後前条第1項の申請を行つたものであるとき。ただし、やむを得ない事情がある場合を除く。
二  本邦にある間に難民となる事由が生じた場合を除き、その者の生命、身体又は身体の自由が難民条約第一条A(2)に規定する理由によつて害されるおそれのあつた領域から直接本邦に入つたものでないとき。
三  第24条第3号又は第4号ホからヨまでに掲げる者のいずれかに該当するとき。
四  本邦に入つた後に、刑法第2編第12章、第16章から第19章まで、第23章、第26章、第27章、第31章、第33章、第36章、第37章若しくは第39章の罪、暴力行為等処罰に関する法律第1条、第1条ノ2若しくは第1条ノ3(刑法第222条又は第261条に係る部分を除く。)の罪、盗犯等の防止及び処分に関する法律の罪又は特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律第15条若しくは第16条の罪により懲役又は禁錮に処せられたものであるとき。

2  法務大臣は、前条第1項の申請をした在留資格未取得外国人について、難民の認定をしない処分をするとき、又は前項の許可をしないときは、当該在留資格未取得外国人の在留を特別に許可すべき事情があるか否かを審査するものとし、当該事情があると認めるときは、その在留を特別に許可することができる。

難民として認定されなかった場合でも「在留特別許可」を受ける可能性があります。

3  法務大臣は、前2項の許可をする場合には、在留資格及び在留期間を決定し、入国審査官に、当該在留資格未取得外国人に対し当該在留資格及び在留期間を記載した在留資格証明書を交付させるものとする。この場合において、その許可は、当該交付のあつた時に、その記載された内容をもつて効力を生ずる。

4  法務大臣は、第1項又は第2項の許可をする場合において、当該在留資格未取得外国人が仮上陸の許可又は第3章第4節の規定による上陸の許可を受けているときは、当該仮上陸の許可又は上陸の許可を取り消すものとする。

第61条の2(難民の認定)

第61条の2から第7章に入ります。
第7章は「難民」についてです。
今回の改正で大きな改正があった部分ですが、施行については「公布の日から1年以内で政令で定める日」となっています。
他の改正部分は12月2日に施行されましたが、この部分はまだ施行されていません。

(難民の認定)
第61条の2  法務大臣は、本邦にある外国人から法務省令で定める手続により申請があつたときは、その提出した資料に基づき、その者が難民である旨の認定(以下「難民の認定」という。)を行うことができる。

難民申請を事前に海外から行うことはできません。

2  前項の申請は、その者が本邦に上陸した日(本邦にある間に難民となる事由が生じた者にあつては、その事実を知つた日)から60日以内に行わなければならない。ただし、やむを得ない事情があるときは、この限りでない。

上陸の日から60日以内しか難民認定の申請ができないという、いわゆる「60日ルール」は、期間があまりにも短すぎるということで、日本の難民認定の少なさもあり、諸外国からの批判も多くありました。
そのため、今回の改正でこの第2項は削除されました。


 法務大臣は、難民の認定をしたときは、法務省令で定める手続により、当該外国人に対し、難民認定証明書を交付し、その認定をしないときは、当該外国人に対し、理由を付した書面をもつて、その旨を通知する。

第60条(日本人の出国)

第7章の第60条・第61条は日本人の出入国に関してです。
入管法の対象は外国人だけではありません。

(日本人の出国)
第60条  本邦外の地域に赴く意図をもつて出国する日本人(乗員を除く。)は、有効な旅券を所持し、その者が出国する出入国港において、法務省令で定める手続により、入国審査官から出国の確認を受けなければならない。

2  前項の日本人は、出国の確認を受けなければ出国してはならない。

(日本人の帰国)
第61条  本邦外の地域から本邦に帰国する日本人(乗員を除く。)は、有効な旅券(有効な旅券を所持することができないときは、日本の国籍を有することを証する文書)を所持し、その者が上陸する出入国港において、法務省令で定める手続により、入国審査官から帰国の確認を受けなければならない。

第59条の2(事実の調査)

当然ですが、在留資格に関して入管が審査するとき、提出された書類を見てだけ審査するわけではありません。
必要なら、本人や関係者を呼び出して話を聞くこともできますし、警察その他の機関へ問い合わせをすることもできます。

(事実の調査)
第59条の2  法務大臣は、第7条の2第1項の規定による証明書の交付又は第12条第1項、第19条第2項、第20条第3項(第22条の2第3項(第22条の3において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)、第21条第3項、第22条第2項(第22条の2第4項(第22条の3において準用する場合を含む。)において準用する場合を含む。)、第50条第1項若しくは第61条の2の5の規定による許可若しくは第22条の4第1項の規定による在留資格の取消しに関する処分を行うため必要がある場合には、入国審査官に事実の調査をさせることができる。

「第7条の2第1項の規定による証明書の交付」=在留資格認定証明書の交付申請です。
「第12条第1項」=上陸特別許可
「第19条第2項」=資格外活動許可
「第20条第3項」=在留資格の変更
「第22条の2第3項(第22条の3において準用する場合)」=在留資格の取得
「第21条第3項」=在留期間の更新
「第22条第2項」=永住許可申請
「第50条第1項の規定による許可」=在留特別許可
「第61条の2の5」=難民の永住許可
「第22条の4第1項の規定による在留資格の取消し」=新設の在留資格取消制度です。


※緑字は今回の改正部分※

2  入国審査官は、前項の調査のため必要があるときは、外国人その他の関係人に対し出頭を求め、質問をし、又は文書の提示を求めることができる。

3  法務大臣又は入国審査官は、第1項の調査について、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。

第59条(送還の義務)

上陸拒否事由に該当するような人、不法上陸をしようとする人を乗せてきたら、船長・機長、船会社・飛行機会社はその責任でその人を帰さなければなりません。

(送還の義務)
第59条  次の各号の一に該当する外国人が乗つてきた船舶等の長又はその船舶等を運航する運送業者は、当該外国人をその船舶等又は当該運送業者に属する他の船舶等により、その責任と費用で、速やかに本邦外の地域に送還しなければならない。

一  第3章第1節又は第2節の規定により上陸を拒否された者

港・空港での上陸審査にひっかかった人です。

二  第24条第5号から第6号の2までのいずれかに該当して本邦からの退去強制を受けた者

仮上陸の許可を受けて逃亡した人です。
仮上陸許可の申請は船長等がまとめて行いますので、逃げられたら責任は船長等にあります。


三  前号に規定する者を除き、上陸後5年以内に、第24条各号の一に該当して退去強制を受けた者のうち、その者の上陸のときに当該船舶等の長又は運送業者がその者について退去強制の理由となつた事実があることを明らかに知つていたと認められるもの

2  前項の場合において、当該運送業者は、その外国人を同項に規定する船舶等により送還することができないときは、その責任と費用で、すみやかに他の船舶等により送還しなければならない。

乗せてきた船・飛行機に乗せて帰すのが基本ですが、飛行機などの場合は審査している間に出発しちゃうこともあります。
その場合は他の飛行機でも船でも良いから責任持って帰してね、ってことです。


3  主任審査官は、前二項の規定にかかわらず、これらの規定により船舶等の長又はその船舶等を運航する運送業者が負うべき責任と費用の負担のうち、第13条の2第1項の規定によりとどまることができる場所として法務省令で定める施設の指定を受けている第1項第1号に該当する外国人を当該指定に係る施設にとどめておくことに伴うものについては、有効な旅券で日本国領事官等の査証を受けたものを所持する外国人に係るものに限り、その全部又は一部を免除することができる。

指定された施設に収容する場合で、収容されたひとが査証(ビザ)を持ってる場合は、航空会社等の責任は一部免除されます。
査証(ビザ)出したほうにも責任があるってことでしょう。

第58条(上陸防止の義務)

船長・機長は密入国を企む者が自分の船・飛行機に乗っているのを発見したら、その者の上陸を防ぐよう手段を講じなければなりません。

(上陸防止の義務)
第58条  本邦に入る船舶等の長は、前条第2項に規定する外国人がその船舶等に乗つていることを知つたときは、当該外国人が上陸することを防止しなければならない。

第57条(報告の義務)

(報告の義務)
第57条  本邦に入り、又は本邦から出る船舶等の長は、その船舶等が到着し、又は出発する出入国港の入国審査官の要求があつたときは、乗客名簿及び乗員名簿を提出しなければならない。

2  本邦に入る船舶等の長は、有効な旅券又は乗員手帳を所持しない外国人がその船舶等に乗つていることを知つたときは、直ちにその旨をその出入国港の入国審査官に報告しなければならない。

3  本邦に入る船舶等の長は、当該船舶等に第16条第2項の許可を受けている乗員が乗り組んでいるときは、当該船舶等が出入国港に到着する都度、直ちに、当該乗員の氏名その他法務省令で定める事項をその出入国港の入国審査官に報告しなければならない。

「第16条第2項の許可を受けている乗員」というのは、定期便の乗員で、その船舶等が日本にいる間の上陸を認められた乗組員のことです。

4  本邦から出る船舶等の長は、その船舶等の出発する出入国港の入国審査官の要求があつたときは、第15条第1項の規定による通過上陸の許可を受けた者がその船舶に帰船しているかどうか、乗員上陸の許可を受けた者で当該船舶等に乗り組むべきものが乗り組んでいるかどうか及び第25条第2項又は第60条第2項の規定に違反して出国しようとする者が乗つているかどうかを報告しなければならない。

「第25条第2項又は第60条第2項の規定に違反して出国しようとする者」とは、出国手続をしないで出国しようとする者です。

第56条(協力の義務)

第56条から第59条までが第六章で、「船舶等の長及び運送業者の責任」が規定されています。
要するに不法入国や不法上陸をしようとする人を乗せてきた飛行機会社、船舶会社にも責任がありますよってことです。

(協力の義務)
第56条  本邦に入る船舶等の長及びその船舶等を運航する運送業者は、入国審査官の行う審査その他の職務の遂行に協力しなければならない。

第55条の6(出国命令の取消し)

出国命令を受けた人は15日以内に出国しなければなりません。
命令を受けてから、出国するまで住居・行動範囲、その他の条件を付けられます。
その条件を守らなかったときは出国命令は取り消されます。

(出国命令の取消し)
第55条の6  主任審査官は、第55条の3第1項の規定により出国命令を受けた者が同条第3項の規定に基づき付された条件に違反したときは、当該出国命令を取り消すことができる。

第55条の5(出国期限の延長)

出国命令を受けた人の出国期限は15日以内ですが、「船舶等の運航の都合その他その者の責めに帰することができない事由」があるときに限り、延長が認められます。

(出国期限の延長)
第55条の5  主任審査官は、法務省令で定めるところにより、第55条の3第1項の規定により出国命令を受けた者から、当該出国命令に係る出国期限内に出国することができない旨の申出があつた場合には、船舶等の運航の都合その他その者の責めに帰することができない事由があると認めるときに限り、当該出国期限を延長することができる。

第55条の4(出国命令書の方式)

出国命令書への記載事項です。

(出国命令書の方式)
第55条の4  前条第2項の規定により交付される出国命令書には、出国命令を受ける者の氏名年齢及び国籍、出国命令の理由、出国期限交付年月日その他法務省令で定める事項を記載し、かつ、主任審査官がこれに記名押印しなければならない。

第55条の3(出国命令)

各審査の段階で出国命令対象者と認められると主任審査官から出国命令書の交付を受け、15日以内に帰国しなければなりません。
帰国するまでは収容はされませんが、住居・行動範囲に制限を付けられます。

(出国命令)
第55条の3  主任審査官は、第47条第2項、第48条第7項、第49条第5項又は前条第3項の規定による通知を受けたときは、速やかに当該通知に係る容疑者に対し、本邦からの出国を命じなければならない。この場合において、主任審査官は、15日を超えない範囲内で出国期限を定めるものとする。

2  主任審査官は、前項の規定により出国命令をする場合には、当該容疑者に対し、次条の規定による出国命令書を交付しなければならない。

3  主任審査官は、第1項の規定により出国命令をする場合には、法務省令で定めるところにより、当該容疑者に対し、住居及び行動範囲の制限その他必要と認める条件を付することができる。

第55条の2(出国命令に係る審査)

出国命令制度の新設に伴い、その審査手続きの規定が第5章として第55条の2から第55条の6までとして、ここに挿入されました。
なお、出国命令制度については第24条の2をご覧下さい。

第55条の2には出国命令の対象に該当するかどうかの審査は入国審査官が行う旨が規定されています。

(出国命令に係る審査)
第55条の2  入国警備官は、容疑者が出国命令対象者に該当すると認めるに足りる相当の理由があるときは、第39条の規定にかかわらず、当該容疑者に係る違反事件を入国審査官に引き継がなければならない

2  入国審査官は、前項の規定により違反事件の引継ぎを受けたときは、当該容疑者が出国命令対象者に該当するかどうかを速やかに審査しなければならない。

3  入国審査官は、審査の結果、当該容疑者が出国命令対象者に該当すると認定したときは、速やかに主任審査官にその旨を知らせなければならない

4  入国審査官は、当該容疑者が退去強制対象者に該当すると疑うに足りる相当の理由があるときは、その旨を入国警備官に通知するとともに、当該違反事件を入国警備官に差し戻すものとする。

第55条(仮放免の取消)

仮放免されてそのまま逃げたり、呼び出しに応じなかったり、仮放免の条件に違反したりした場合、保証金は没収で身柄は再び拘束され、収容されます。

(仮放免の取消)
第55条  入国者収容所長又は主任審査官は、仮放免された者が逃亡し、逃亡すると疑うに足りる相当の理由があり、正当な理由がなくて呼出に応ぜず、その他仮放免に附された条件に違反したときは、仮放免を取り消すことができる。

2  前項の取消をしたときは、入国者収容所長又は主任審査官は、仮放免取消書を作成し、収容令書又は退去強制令書とともに、入国警備官にこれを交付しなければならない。

3  入国者収容所長又は主任審査官は、逃亡し、又は正当な理由がなくて呼出に応じないことを理由とする仮放免の取消をしたときは保証金の全部、その他の理由によるときはその一部を没取するものとする。

4  入国警備官は、仮放免を取り消された者がある場合には、その者に仮放免取消書及び収容令書又は退去強制令書を示して、その者を入国者収容所、収容場その他法務大臣又はその委任を受けた主任審査官が指定する場所に収容しなければならない。

5  入国警備官は、仮放免取消書及び収容令書又は退去強制令書を所持しない場合でも、急速を要するときは、その者に対し仮放免を取り消された旨を告げて、その者を収容することができる。但し、仮放免取消書及び収容令書又は退去強制令書は、できるだけすみやかに示さなければならない。

第54条(仮放免)

収容者の仮放免についての規定です。
仮放免に必要なのは「保証金」か「保証人」です。

(仮放免)
第54条  収容令書若しくは退去強制令書の発付を受けて収容されている者又はその者の代理人、保佐人、配偶者、直系の親族若しくは兄弟姉妹は、法務省令で定める手続により、入国者収容所長又は主任審査官に対し、その者の仮放免を請求することができる。

2  入国者収容所長又は主任審査官は、前項の請求により又は職権で、法務省令で定めるところにより、収容令書又は退去強制令書の発付を受けて収容されている者の情状及び仮放免の請求の理由となる証拠並びにその者の性格、資産等を考慮して、三百万円を超えない範囲内で法務省令で定める額の保証金を納付させ、かつ、住居及び行動範囲の制限、呼出しに対する出頭の義務その他必要と認める条件を付して、その者を仮放免することができる。

3  入国者収容所長又は主任審査官は、適当と認めるときは、収容令書又は退去強制令書の発付を受けて収容されている者以外の者の差し出した保証書をもつて保証金に代えることを許すことができる。保証書には、保証金額及びいつでもその保証金を納付する旨を記載しなければならない。

第53条(送還先)

不法滞在をしていた外国人を退去強制するとき、日本から出すのは良いとして、ではどこへ送り返せば良いのでしょう。
普通に考えれば、中国人は中国へ、アメリカ人はアメリカへ送り返せば良いですね。
これが基本です。
ところが、そう単純じゃない場合もあります。

その外国人が日本で不法滞在している間にその国で戦争が始まっていたらどうしましょう?
いくら不法滞在だとはいえ、戦争中の国へ帰れ、というのはちょっと酷すぎますよね?

または、かつてソ連が崩壊したときのように、その国が国としてなくなってたらどうでしょう?
帰国させようと思っても、その国がないんです。

その他様々な理由でその国籍のある国へ返すことができないとき、どこに送るかを決めてあるのがこの条文です。

(送還先)
第53条  退去強制を受ける者は、その者の国籍又は市民権の属する国に送還されるものとする。

2  前項の国に送還することができないときは、本人の希望により、左に掲げる国のいずれかに送還されるものとする。

一  本邦に入国する直前に居住していた国
二  本邦に入国する前に居住していたことのある国
三  本邦に向けて船舶等に乗つた港の属する国
四  出生地の属する国
五  出生時にその出生地の属していた国
六  その他の国

3  法務大臣が日本国の利益又は公安を著しく害すると認める場合を除き、前2項の国には難民条約第33条第1項に規定する領域の属する国を含まないものとする。

第53条(送還先)

不法滞在をしていた外国人を退去強制するとき、日本から出すのは良いとして、ではどこへ送り返せば良いのでしょう。
普通に考えれば、中国人は中国へ、アメリカ人はアメリカへ送り返せば良いですね。
これが基本です。
ところが、そう単純じゃない場合もあります。

その外国人が日本で不法滞在している間にその国で戦争が始まっていたらどうしましょう?
いくら不法滞在だとはいえ、戦争中の国へ帰れ、というのはちょっと酷すぎますよね?

または、かつてソ連が崩壊したときのように、その国が国としてなくなってたらどうでしょう?
帰国させようと思っても、その国がないんです。

その他様々な理由でその国籍のある国へ返すことができないとき、どこに送るかを決めてあるのがこの条文です。

(送還先)
第53条  退去強制を受ける者は、その者の国籍又は市民権の属する国に送還されるものとする。

2  前項の国に送還することができないときは、本人の希望により、左に掲げる国のいずれかに送還されるものとする。

一  本邦に入国する直前に居住していた国
二  本邦に入国する前に居住していたことのある国
三  本邦に向けて船舶等に乗つた港の属する国
四  出生地の属する国
五  出生時にその出生地の属していた国
六  その他の国

3  法務大臣が日本国の利益又は公安を著しく害すると認める場合を除き、前2項の国には難民条約第33条第1項に規定する領域の属する国を含まないものとする。