ハイドンのピアノソナタを いきなりフォルテッシモから弾きだした。 こんなハイドンは初めて聴いた。 華々しくて繊細、 ルビャンツェフは楽章ごとに異なる表情を見せた。 ピアノは打楽器であることを否応なく見せつけてくれた。 叩きつけるような指使い、それでいて繊細。 ブーニンを彷彿させるテクニックは、 ロシア伝統の音楽なのか、教育の賜物なのか? パガニーニ/リスト編曲6番は、 パガニーニがヴァイオリンという楽器で実現した高度なテクニックを リストがピアノ独自の語法によって試みようとした曲。 右手が左へ左手が右へ蝶のように舞い、 ルビャンツェフは超絶技巧の曲を軽々と弾いてみせた。 こんなピアノを聴かされては、 日本のピアノ界はとても太刀打ちできないと思った。 鳴り止まぬアンコール! 6回ほどアンコール曲を弾いただろうか? 全て類い稀な難易度の曲であったが、 まるで練習曲のように弾く姿は恐ろしかった・・・。 ソビエトは崩壊しましたが、 ロシアの音楽教育は毅然としてまだ君臨していました。 |
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