在留特別許可を得るまでの手続きの概要
①出頭申告
a.出頭申告とは、刑事手続における「自首」と同じように、退去強制事由に該当する外国人が、自ら地方入国管理局に出頭してその容疑を申告することをいいます。
b.出頭申告には、容疑を申告し退去強制手続を受けて早く帰国したいという場合と、容疑を申告しても日本に引き続き在留したいという場合があります。早期に帰国を希望する場合には、一連の退去強制手続を終え、送還要件(旅券、航空券など)が整っていれば、速やかに送還先に退去させます。なお一定の要件を満たす不法残留者退去強制ではなく出国命令の対象となります。
c.何らかの理由により日本での在留を希望する場合は、退去強制手続の中において、日本で生活をしたい理由を具体的に申し立て在留を希望することができます。日本での在留が特別に認められるか否かは、違反調査、違反審査、口頭審査を経て、最終的に法務大臣の裁決により決定されます。
②入国警備員による違反調査
   違反調査とは、退去強制手続の第一段階であり、退去強制事由に該当すると思われる外国人に対して、入国警備官が行います。
③引渡(入管法第44条)
   入国警備官は、違反調査により容疑者を収容したときは、身体を拘束した時から48時間以内に、調書及び証拠物とともに、その容疑者を入国審査官に引き渡さなければならないとされています。これを「引渡し」と呼んでいます。
   この引渡しを受けた入国審査官入国警備官の行った違反調査に誤りがなかったかどうかなどについて審査することになります。
   なお、容疑者が刑事処分等により身柄を拘束されているとき(未拘留、服役中など)には、収容令書により身柄を拘束しないときでも退去強制手続を行うことができる旨の規定があり、容疑者を収容しないまま、違反調査を行い、入国警備官から入国審査官に事件を引き継ぐことがあります。これを「引継ぎ」と呼んでいます。この引継ぎを受けた入国審査官は、入国警備官の行った違反調査に誤りがなかったかどうかなどについて審査することになります。
④入国審査官による違反審査(入管法第45条から第47条)
   入国警備官から容疑者の引渡しを受けた入国審査官は、容疑者が退去強制対象者退去強制事由のいずれかに該当し、かつ、出国命令対象者に該当しない外国人をいいます。)に該当するかどうかを速やかに審査しなければならないとされています。
   入国審査官が、容疑者が退去強制対象者に該当すると認定し、容疑者がそれを認めて帰国を希望するときは、退去強制令書主任審査官によって発付され、その外国人退去強制されることになります。
   一方、容疑者がその認定が誤っていると主張したり、あるいは、誤ってはいないが、日本での在留を特別に認めてもらいたいと希望するときは、第2段階の審査に当たる口頭審理を請求することができます。
  なお、違反審査の結果、その容疑者が退去強制事由のいずれにも該当しないことがわかり入国審査官がそのことを認定し、主任審査官から出国命令を受けたときは、入国審査官は直ちにその者を放免しなければばらないとされています。
⑤特別審理官による口頭審理(入管法第48条)
   入国審査官退去強制対象者に該当すると認定した場合で、容疑者がその認定が誤っていると主張したり、あるいは、誤ってはいないが、日本での在留を特別に認めてもらいたいと希望するときは、認定の通知を受けた日から3日以内に口頭をもって特別審理官に対し、口頭審理を請求し、これに基づき、審問が行われることとなっています。これが特別審理官による口頭審理です。特別審理官は、法務大臣が指定する上級の入国審査官です。
   特別審理官は、入国審査官の行った認定に誤りがあるかどうかを判定します。特別審理官入国審査官の認定に誤りがないと判定し、容疑者がそれを認めて帰国を希望するときは、退去強制令書主任審査官によって発布され、我が国から退去強制されることになります。
   一方、容疑者がその判定を誤っていると主張したり、あるいは、誤ってはいないが在留を特別に認めてもらいたいと希望するときは、第3段階の審査に当たる法務大臣への異議の申出を行うことができます。
   また、口頭審理の結果、退去強制事由のいずれにも該当しないことが分かり特別審理官がそのような判定をした場合や特別審理官がその容疑者が出国命令対象者に該当すると判定し、主任審査官から出国命令を受けたときは、特別審理官は直ちにその者を放免しなければならないと規定されています。
   なお、口頭審理において、容疑者又はその代理人は、証拠を提出し、証人を尋問し、また容疑者は特別審理官の許可を受けて親族又は知人の1人を立ち会わせることができます。他方、特別審理官は、証人の出頭を命じ、宣誓をさせ、証言を求めることができることとなっています。
⑥異議の申出(入管法第49条)
   入国審査官の認定、そして特別審理官の判定を経て、容疑者がその判定が誤っていると主張したり、あるいは、誤ってはいないが日本での在留を特別に認めてもらいたいと希望するときは、その判定の通知を受けた日から3日以内に不服の事由を記載した書面を主任審査官に提出して、最終的な判断を法務大臣に求めることができます。これが異議の申出です。
   異議の申出は、特別審理官のさらに上級の入国審査官である主任審査官が法務大臣に書類を送付して行います。主任審査官とは、最も上級の入国審査官の一つであり、法務大臣が指定します。
⑦法務大臣の裁決(入管法第49条)
   異議の申出を受理した法務大臣は、直接容疑者を取り調べることはしませんが、入国警備官の違反調査、入国審査官の違反調査、そして特別審理官口頭審理という一連の手続で作成された証拠(事件記録)を調べて裁決することになります。
   そして、法務大臣が異議の申出に理由がないと裁決した場合は、主任審査官にその旨を通知することによって、主任審査官が退去強制令書を発布することになります。
   一方、主任審査官は、法務大臣から容疑者が退去強制事由のいずれにも該当しないとして異議の申出が理由があるとして裁決した旨の通知を受けたときや容疑者が出国命令対象者に該当するとして異議の申出が理由があると裁決した旨の通知を受けて出国命令をしたときは、直ちにその者を放免しなければならないと規定されています。
⑧在留特別許可(入管法第50条)
   法務大臣は、異議の申出に理由がないと認める場合でも、次のような場合には、在留を特別に許可できるとされています。この法務大臣の裁決の特例が、在留特別許可です。
a.永住許可を受けているとき
b.かつて日本国民として日本に本籍を有したことがあるとき
c.人身取引等により他人の支配下に置かれて日本に在留するものであるとき
d.その他法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めるとき
⑨退去強制令書の発布(入管法第51条ほか)
   入国審査官の認定又は特別審理官の判定に服したことの知らせを受けるか、あるいは法務大臣への異議の申出に対して理由がない旨の裁決の通知を受けたときに、主任審査官より退去強制令書が発布されます。
   退去強制令書が発布されると、日本から退去させられることが確定します。

本人による違反事実の申告

                  入国警備官の違反調査

                  入国審査官への引渡し(収容原則)

                  入国審査官の違反調査(仮放免許可)

                    口頭審査の請求

                  特別審理官の口頭審理

                     異議の申出

                    法務大臣の裁決

               在留特別許可      退去強制


 

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