第五十四条(第三国の義務)
領事官が、赴任、帰任又は帰国の途中において、査証が必要な場合に査証を与えた第三国の領域を通過しているとき又は当該第三国の領域内にあるときは、当該第三国は、当該領事官に対し、通過又は帰還を確実にするため必要なこの条約の他の条項に定めるすべての免除を与える。領事官の世帯に属する家族で特権及び免除を享受するものが当該領事官と同行する場合又は当該領事官のもとに赴くため若しくは帰国するために別個に旅行中である場合についても、同様とする。
1に規定する場合と同様の場合において、第三国は、領事官以外の領事機関の構成員又はその世帯に属する家族が当該第三国の領域を通過することを妨げてはならない。
第三国は、暗号又は符号による通信文を含む通過中のすべての公用通信に対し、接受国がこの条約に基づき与えなければならない自由及び保護と同一の自由及び保護を与える。第三国は、査証が必要な場合に査証を与えられた通過中の領事伝書使及び通過中の領事封印袋に対し、接受国がこの条約に基づき与えなければならない不可侵及び保護と同一の不可侵及び保護を与える。
1から3までの規定に基づき第三国が負う義務は、これらの規定の適用を受ける者並びに公用通信及び領事封印袋が不可抗力によつて当該第三国の領域内に入つた場合についても、同様とする。