上陸許可取消処分取消等請求事件
平成17年(行ウ)第79号
原告:A、被告:東京入国管理局長ほか2名
東京地方裁判所民事第38部(裁判官:菅野博之・市原義孝・近道暁郎)
平成18年3月28日

判決
主 文
一 本件訴えのうち、被告東京入国管理局入国審査官が原告に対して平成一六年一一月一日付けで
した、平成八年一二月二九日付け上陸許可及び平成一三年八月一〇日付け上陸許可の各取消処分
の取消しを求める訴えをいずれも却下する。
二 被告東京入国管理局長が原告に対して平成一六年一二月二〇日付けでした出入国管理及び難民
認定法四九条一項に基づく異議の申出には理由がない旨の裁決を取り消す。
三 被告東京入国管理局主任審査官が原告に対して平成一七年一月二八日付けでした退去強制令書
発付処分を取り消す。
四 訴訟費用は、原告と被告東京入国管理局長との間においては、原告に生じた費用の三分の一を
被告東京入国管理局長の負担とし、その余は各自の負担とし、原告と被告東京入国管理局主任審
査官との間においては、原告に生じた費用の三分の一を被告東京入国管理局主任審査官の負担と
し、その余は各自の負担とし、原告と被告東京入国管理局入国審査官との間においては、全部原
告の負担とする。
事実及び理由
第一 請求
一 被告東京入国管理局入国審査官が原告に対して平成一六年一一月一日付けでした、平成八年
一二月二九日付け上陸許可及び平成一三年八月一〇日付け上陸許可の各取消処分をいずれも取り
消す。
二 主文第二項と同旨(なお、訴状請求の趣旨第二項の「二〇〇五年(平成一七年)一月二八日付で
した」とあるのは「平成一六年一二月二〇日付けでした」の誤記と認める。)。
三 主文第三項と同旨。
第二 事案の概要
一 略語の一部
・ 中華人民共和国を「中国」という。
・ 東京入国管理局を「東京入管」という。
・ 被告東京入国管理局入国審査官を「被告入国審査官」という。
・ 被告東京入国管理局長を「被告東京入管局長」という。
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・ 被告東京入国管理局主任審査官を「被告主任審査官」という。
・ 平成一七年法律第六六号による改正前の出入国管理及び難民認定法を「出入国法」といい、
平成一六年法律第七三号による改正前の出入国管理及び難民認定法を「改正前の出入国法」と
いう。
・ 被告入国審査官が原告に対して平成一六年一一月一日付けでした、平成八年一二月二九日付
け上陸許可及び平成一三年八月一〇日付け上陸許可の各取消処分を「本件各上陸許可取消処分」
という。
・ 被告東京入管局長が原告に対して平成一六年一二月二〇日付けでした出入国法四九条一項に
基づく異議の申出には理由がない旨の裁決を「本件裁決」という。
・ 被告主任審査官が原告に対して平成一七年一月二八日付けでした退去強制令書の発付処分を
「本件退令処分」といい、当該退去強制令書を「本件令書」という。
・ 平成一六年法律第八四号による改正前の行政事件訴訟法を「改正前の行訴法」という。
・ 経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約を「A規約」という。
二 事案の骨子
本件は、中国国籍を有する男性である原告(本件退令処分当時一七歳)が、被告入国審査官から
本件各上陸許可取消処分を受け、その後、被告入国審査官から出入国法二四条二号(不法上陸)に
該当する旨の認定を受け、次いで、東京入管特別審理官から同認定に誤りがない旨の判定を受け、
さらに、法務大臣から権限の委任を受けた被告東京入管局長から本件裁決を受け、被告主任審査
官から本件退令処分を受けたため、不法上陸当時九歳であった原告には不法上陸について帰責性
がなく、かつ、原告は、九歳から日本において教育を受けており、日本での教育を継続する必要が
あること等を理由に、本件各上陸許可取消処分はその必要性を欠く違法があり、また、在留特別
許可を付与すべきであったにもかかわらずこれを認めなかった本件裁決は違法であり、それを前
提とする本件退令処分も違法であるなどと主張して、被告入国審査官に対しては本件各上陸許可
取消処分の各取消しを、被告東京入管局長に対しては本件裁決の取消しを、被告主任審査官に対
しては本件退令処分の取消しを、それぞれ求める事案である。
三 関係法令の定め等
本件に関連する出入国法及び改正前の出入国法の規定は、次のとおりである。 
1 出入国法二四条は、「次の各号のいずれかに該当する外国人については、次章に規定する手続
により、本邦からの退去を強制することができる。」とし、その二号において、「入国審査官から
上陸の許可等を受けないで本邦に上陸した者」と定めている。
2 改正前の出入国法四七条二項は、「入国審査官は、審査の結果、容疑者が第二四条各号の一に
該当すると認定したときは、すみやかに理由を附した書面をもつて、主任審査官及びその者に
その旨を知らせなければならない。」と規定している。
3 改正前の出入国法四八条一項は、「前条第二項の通知を受けた容疑者は、同項の認定に異議が
あるときは、その通知を受けた日から三日以内に、口頭をもつて、特別審理官に対し口頭審理
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の請求をすることができる。」とし、出入国法四八条八項は、「特別審理官は、口頭審理の結果、
前条第三項の認定(注:改正前の出入国法四七条二項の認定に相当する。)が誤りがないと判定
したときは、速やかに主任審査官及び当該容疑者にその旨を知らせるとともに、当該容疑者に
対し、第四九条の規定により異議を申し出ることができる旨を知らせなければならない。」と規
定している。
4 出入国法四九条一項は、「前条第八項の通知を受けた容疑者は、同項の判定に異議があるとき
は、その通知を受けた日から三日以内に、法務省令で定める手続により、不服の事由を記載し
た書面を主任審査官に提出して、法務大臣に対し異議を申し出ることができる。」と規定し、同
条三項は、「法務大臣は、第一項の規定による異議の申出を受理したときは、異議の申出が理由
があるかどうかを裁決して、その結果を主任審査官に通知しなければならない。」と規定してい
る。
5 出入国法四九条六項は、「主任審査官は、法務大臣から異議の申出が理由がないと裁決した旨
の通知を受けたときは、速やかに当該容疑者に対し、その旨を知らせるとともに、第五一条の
規定による退去強制令書を発付しなければならない。」と規定している。
6 出入国法五〇条一項は、「法務大臣は、前条第三項の裁決に当つて、異議の申出が理由がない
と認める場合でも、当該容疑者が左の各号の一に該当するときは、その者の在留を特別に許可
することができる。」とし、その三号において、「その他法務大臣が特別に在留を許可すべき事
情があると認めるとき。」と定めている。
四 前提事実
本件の前提となる事実は、次のとおりである。証拠及び弁論の全趣旨等により容易に認めるこ
とのできる事実は、その旨付記しており、その余の事実は、当事者間に争いのない事実である。
1 原告の身分事項及び入国状況等について
 原告は、昭和六二年(一九八七年)六月一日、中国の黒竜江省において、いずれも中国国籍
を有する外国人であるB(以下「B」という。)及び母C(以下「C」という。)の間に出生した
中国国籍を有する男性の外国人である。原告には、実妹として、平成元年(一九八九年)七月
一四日に中国の黒竜江省において原告と同じ父母の間に出生したD(以下「D」という。)が
いる。
 E(以下「E」という。)は、日本国籍を有する女性であり、第二次大戦後に中国に残されて、
中国で養育されたいわゆる中国残留邦人である。Bは、Eの夫の実兄の子である。Eは、原告
が出生した昭和六二年六月一日より以前に、既に本邦に帰国していた。
 原告、B、C及びD(以下「原告一家」という。)は、平成八年(一九九六年)一二月二九日、
中国の上海から新東京国際空港(現在の成田空港。以下、改称の前後を問わず「成田空港」と
いう。)に到着した。
Bは、東京入管成田空港支局入国審査官に対し、真実は日本国籍を有する者の子ではない
のに、日本国籍を有するEの子であるとして、外国人入国記録の渡航目的の欄に「日本人の
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配偶者等」と記載して上陸申請を行った。また、原告、C及びDは、東京入管成田空港支局入
国審査官に対し、外国人入国記録の渡航目的の欄に「定居(定住)」と記載して上陸申請を行
った。なお、上陸申請の際、原告の外国人入国記録の日本滞在予定期間の欄には、「一年」と
記載されていた。
Bは、東京入管成田空港支局入国審査官から、在留資格「日本人の配偶者等」とする上陸許
可の証印を受け、原告、C及びDは、在留資格「定住者」及び在留期間「一年」とする上陸許
可の証印を受けた。原告一家は、同日、本邦に上陸した。
2 原告の在留状況等について
 原告は、千葉県《地名略》市長に対し、外国人登録法に基づく新規登録を申請し、平成九年
一月八日、外国人登録証明書の交付を受けた。
 原告は、平成九年一二月一〇日、法務大臣に対し、在留期間更新許可申請を行い、法務大臣
は、同月二二日、在留期間を一年として、これを許可した。
 原告は、平成一〇年一一月二七日、法務大臣に対し、在留期間更新許可申請を行い、法務大
臣は、同年一二月九日、在留期間を一年として、これを許可した。
 原告は、平成一一年一二月三日、法務大臣に対し、在留期間更新許可申請を行い、法務大臣
は、平成一二年一月二五日、在留期間を三年として、これを許可した。
 原告は、平成一三年六月一一日、法務大臣に対し、再入国許可申請をし、法務大臣は、同日、
これを一回限り有効なものとして許可した。
 原告は、平成一三年六月二九日、新潟空港から中国のハルピンに向け、再入国許可による
出国をした。
 原告は、平成一三年八月一〇日、中国のハルピンから新潟空港に到着し、再入国許可によ
る上陸許可を受けて本邦に上陸した。
 原告は、平成一四年一一月一九日、法務大臣に対し、在留期間更新許可申請を行った。
 被告入国審査官は、平成一六年一一月一日、EがBの実母ではないことが判明したとして、
B、C及びDに対する平成八年一二月二九日付けの各上陸許可等を取消した。また、Bは、平
成一六年一一月一日ころ、東京入管に収容された。
被告入国審査官は、原告に対して、平成一六年一一月一日、本件各上陸許可取消処分をす
るとともに、平成九年一二月二二日、平成一〇年一二月九日及び平成一二年一月二五日付け
でした各在留期間更新許可並びに平成一三年六月一一日付けでした再入国許可を取り消し、
さらに、上記の申請を終止した。被告入国審査官は、原告に対し、平成一六年一一月一日、
本件各上陸許可取消処分を告知した。
3 原告の退去強制手続等について
 東京入管入国警備官は、平成一六年一一月一日、原告について違反調査を行い、その結果、
原告が出入国法二四条二号(不法上陸)に該当すると疑うに足りる相当の理由があるとして、
同月一六日、被告主任審査官から収容令書の発付を受け、同月一九日、同令書を執行すると
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ともに、同日、原告を出入国法二四条二号該当容疑者として、被告入国審査官に引き渡した。
被告主任審査官は、同日、原告に対し、仮放免を許可した。
 被告入国審査官は、平成一六年一一月一九日、原告、C及びDについて違反審査を行い、そ
の結果、同日、原告が出入国法二四条二号に該当する旨の認定を行い、これを通知した。原告
は、同日、特別審理官による口頭審理を請求した。
 東京入管特別審理官は、平成一六年一二月三日、原告について口頭審理を行い、その結果、
同日、被告入国審査官による上記認定に誤りがない旨判定し、原告にこれを通知した。原告
は、同日、法務大臣に対し、異議の申出をした。
 法務大臣から権限の委任を受けた被告東京入管局長は、平成一六年一二月二〇日、原告の
上記異議の申出に理由がない旨の本件裁決をした。本件裁決の通知を受けた被告主任審査官
は、平成一七年一月二八日、原告に本件裁決を通知するとともに、本件退令処分をした。東京
入管入国警備官は、同日、本件令書を執行し、被告主任審査官は、同日、原告に対し、仮放免
を許可した。
 なお、平成一六年一一月又は一二月ころ、B、C及びDも、被告入国審査官から、出入国法
二四条二号(不法上陸)に該当する旨の認定を受け、次いで、東京入管特別審理官から同認定
に誤りがない旨の判定を受け、さらに、法務大臣から権限の委任を受けた被告東京入管局長
から出入国法四九条一項に基づく異議の申出には理由がない旨の裁決を受けた。被告主任審
査官は、Bに対しては、平成一六年一二月二〇日に、C及びDに対しては、平成一七年一月
二八日に、それぞれ退去強制令書発付処分をした。Dは、同日、仮放免されたが、B及びCは、
退去強制令書の執行により、東京入管に収容された。
B及びCは、その後に、仮放免されたものの、平成一七年五月一五日、成田空港から出国し
た。
 原告は、平成一七年三月七日、本件訴えを提起した。また、Dも、同日、当庁に、被告入国
審査官がDに対して平成一六年一一月一日付けでした、平成八年一二月二九日付け上陸許可
及び平成一三年八月一〇日付け上陸許可の各取消処分の取消し等を求める訴えを提起した。
五 争点
本件の主な争点は、次のとおりである。
1 本件各上陸許可取消処分の取消しを求める訴えの適否
具体的には、本件各上陸許可取消処分の取消しを求める訴えは出訴期間を徒過した不適法な
訴えか。
2 本件各上陸許可取消処分の適法性
具体的には、本件各上陸許可取消処分は、法令の権拠に基づかないでされた違法なものであ
るということができるか。また、本件各上陸許可取消処分は、手続上又は実体上、違法なもので
あるということができるか。
3 本件裁決の実体上の適法性
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具体的には、原告は、不法上陸について帰責性がないこと、日本で継続して教育を受けるべ
きこと等を理由として出入国法五〇条一項三号に基づく在留特別許可を付与されるべきであっ
たのに、これを付与されずにされた本件裁決は、被告東京入管局長の有する裁量権を逸脱する
などしてされた違法なものであるということができるか。
4 本件裁決についての違法性の承継の有無
 本件各上陸許可取消処分が違法であるとして、本件裁決は、その違法性を承継するか。
5 本件裁決の手続上の適法性
本件裁決は、手続上違法なものであるということができるか。
6 本件退令処分の適法性
本件裁決が違法であるから、これを前提とする本件退令処分も違法であるか。
六 争点に関する当事者の主張の要旨
争点に関する当事者の主張の要旨は、別紙「当事者の主張の要旨」のとおりである。
第三 争点に対する判断
一 争点1(本件各上陸許可取消処分の取消しを求める訴えの適否)について
1 改正前の行訴法一四条一項によると、取消訴訟の出訴期間は、処分又は裁決があったこと
を知った日の翌日から起算して三か月である。
前記前提事実によると、原告が本件各上陸許可取消処分を知ったのは、平成一六年一一月
一日であり、原告が本件訴えを提起したのは、平成一七年三月七日である。そうすると、本件
各上陸許可取消処分の取消しを求める訴えは、原告が本件各上陸許可取消処分を知った日か
ら四か月以上経過した後に提起されているということになる。
 出訴期間は、不変期間であり(改正前の行訴法一四条二項)、当事者がその責めに帰するこ
とができない事由により不変期間を遵守することができなかった場合には、その事由が消
滅した後一週間以内に限り、不変期間内に訴訟行為の追完をすることができる(民事訴訟法
九七条)。
原告は、Bが、本件各上陸許可取消処分を受けた直後に、東京入管の職員から、在留特別許
可についての説明を受け、また、その際に、本件各上陸許可取消処分に対する不服申立てを
することができる旨教示されていなかったことから、本件各上陸許可取消処分とその後の退
去強制手続が一体のものであると誤信した旨主張する。
しかし、東京入管の職員が、本件各上陸許可取消処分を受けた直後に、在留特別許可につ
いての説明をすることには、何ら違法な点は存せず、また、上陸許可取消処分に対する審査
請求等の不服申立手続は、存在しないのである(行政不服審査法四条一項一〇号参照)から、
東京入管の職員が、本件各上陸許可取消処分に対する不服申立てをすることができる旨教示
しなかったことも、違法であるとはいえないのである。
そうすると、仮に、原告又はBが、本件各上陸許可取消処分とその後の退去強制手続が一
体のものであると誤信した事実があったとしても、それは、原告又はB自身の主観的な問題
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にすぎないといわざるを得ない。
したがって、原告の前記主張事実をもって、本件がその責めに帰することができない事由
により不変期間を遵守することができなかった場合に当たるということはできない。
 また、上記のとおり、上陸許可取消処分に対する審査請求等の不服申立手続は、存在しな
いから、改正前の行訴法一四条四項の適用の余地もないというべきである。
 以上によれば、本件各上陸許可取消処分の取消しを求める訴えは、出訴期間経過後に提起
された不適法なものであることが明らかであるというべきである。
2 これに対して、原告は、平成一六年一一月一日に各上陸許可取消通知書を受け取ったもの
の、その際には、本件各上陸許可取消処分に対して取消訴訟を提起することができる旨の告
知を受けておらず、かつ、そのようなことは知らなかったのであるから、出訴期間は進行し
ない旨主張する。
しかし、改正前の行訴法一四条一項にいう「処分又は裁決があつたことを知つた日」とは、
当該処分又は裁決が効力を発生したことを前提として、処分等の相手方がその処分等の存在
を知った日をいうと解すべきである。そして、同項の文言からすると、「処分又は裁決があつ
たことを知つた」というためには、処分等の相手方が取消訴訟を提起することができる旨の
告知を受けることや、その処分等に対して取消訴訟を提起することができることを認識する
ことは必要がないというべきである。
したがって、原告の上記主張は、採用することができない。
 また、原告は、被告入国審査官が、原告について出入国法二四条二号(不法上陸)に該当す
る旨の認定を行うに際して、本件各上陸許可取消処分が有効か否かについても審査の対象と
していることからすると、出入国法四九条一項に基づく異議の申出は、上記認定について、
改正前の行訴法一四条四項にいう「審査請求」に当たるとともに、本件各上陸許可取消処分
との関係でも、「審査請求」に当たる旨主張する。
しかし、上陸許可取消処分は公定力を有する行政処分であるから、入国審査官は、出入国
法二四条二号に該当するかどうかを審査するに当たって、既にされた上陸許可取消処分を有
効なものとして扱わざるを得ないというべきである。
また、改正前の出入国法四五条一項は、入国審査官は、容疑者が出入国法二四条各号の一
に該当するかどうかを審査すると規定しているにすぎないのであるから、退去強制手続にお
いて、上陸許可取消処分等が有効か否かについて審査することは、予定されていないという
べきである。
そうすると、被告入国審査官が、原告について出入国法二四条二号に該当する旨の認定を
行うに際しても、本件各上陸許可取消処分が有効か否かについてを、審査の対象とすべきで
あるということはできない。
したがって、被告入国審査官の上記認定に際して、本件各上陸許可取消処分が有効か否か
についても審査の対象としていることを前提とする原告の前記主張は、採用することができ
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ない。
 原告は、Bが、本件各上陸許可取消処分を受けた直後に、東京入管の職員から、在留特別許
可についての説明を受け、また、その際に、本件各上陸許可取消処分に対する不服申立てを
することができる旨教示されていなかったことから、上陸許可取消処分とその後の退去強制
手続が一体のものであると誤信したのであり、本件裁決のあった日から本件各上陸許可取消
処分の取消訴訟の出訴期間が起算される旨主張する。
しかし、前記一のとおり、上記のようなBの誤信をもって原告の責めに帰することがで
きない事由により出訴期間を遵守することができなかった場合に当たるということはできな
いのである。
また、改正前の行訴法一四条四項後段は、「行政庁が誤って審査請求をすることができる旨
を教示した場合」について規定していることから、改正前の行訴法一四条四項の適用もない
というべきである。
そうすると、原告の上記主張は、採用することができない。
3 以上によれば、本件各上陸許可取消処分の取消しを求める訴えは、いずれも出訴期間を徒過
した不適法な訴えであるといわざるを得ない。

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