入管法5条(上陸の拒否)案件

入管法5条(上陸の拒否)案件
上陸拒否事由
 日本国にとって上陸を認めることが好ましくない外国人の類型

①   保健。衛生上の観点から上陸を認めることが好ましくない者
②   反社会性が強いと認められることにより上陸を認めることが好ましくない者
③   日本国から退去強制を受けたこと等により上陸を認めることが好ましくない者
④   相互主義に基づき上陸を認めない者

入管法5条(上陸の拒否) 
1項 上陸拒否事由
1号 感染症の患者 
①   一類感染症(感染予防法6条2項)
エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱
②   二類感染症(感染予防法6条3項)
急性灰白髄炎、結核、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群、鳥インフルエンザ
③   新型インフルエンザ等感染症(感染予防法6条7項)
・新型インフルエンザ
・再興型インフルエンザ
④   指定感染症(感染予防法7条、19条、20条)
すでに知られている感染症の疾病で、国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあるもののうち(7条)、強制的な入院措置をして隔離する必要がある場合があると見込まれる感染症のみを対象
⑤   新感染症の所見がある者(感染予防法6条9項)
人から人に伝染すると認められる疾病であって、既に知られている感染症の疾病とその病状又は治療の結果が明らかに異なるもので、当該疾病にかかった場合の病状の程度が重篤であり、かつ、当該疾病のまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるもの
⑥   エイズ・ウィルスに感染している外国人(廃止)

2号 精神障害者 
①   精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者又はその能力が著しく不十分な者で、本邦におけるその活動又は行動を補助する者として法務省令で定めるものが随伴しないもの

 イ 当該要随伴者に対して訴訟をしている者、又はした者並びにその配偶者及び直系血族

 ロ 家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補佐人

 ハ 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者

 ニ 成年被後見人又は被保佐人

 ホ 未成年者

②   ①の他、要随伴者の活動を補助することについて合理的理由がある者で要随伴者の活動を補助する意思及び能力を有するもの

3号 貧困者、放浪者等 
●外国から生活上の援助を必要とする者が次々と本邦に上陸するというような事態は国家財政上の危機を招くおそれがある為、上陸を認めないとした。
●重病患者で治療費の支払能力を有しない者等が該当。

4号 刑に処せられた者 
日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、1年以上の懲役若しくは禁錮又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者。ただし政治犯罪により刑に処せられた者は、この限りでない。 
●「これらに相当する刑」とは、一定の矯正施設、労働施設等への収容であって懲役、禁錮に相当するものをいう。
●「刑に処せられた」とは、歴史的事実として刑に処せられたことを言い、刑の確定があれば足り、刑の執行を受けたか否か、刑の執行を終えているかは問わない。
●「刑に処せられたことのある者」には執行猶予期間中の者、執行猶予期間を無事経過した者、刑法の規定により刑の言い渡しの効力が消滅した者(刑34の2)、恩赦法の規定により刑の言い渡しの効力が消滅した者も含まれます。
●不定期刑については、その長期が1年以上であることを要する。併合罪で主文が2つ以上ある場合は、各主文の刑によります。
●5年経過、又は人道上配慮すべき場合には上陸特別許可の可能性があります。

[在留資格の変更、在留期間の更新許可のガイドライン] 
ア 素行が不良でないこと
素行については、善良であることが前提となり、良好でない場合には消極的な要素として評価され、具体的には、退去強制事由に準ずるような刑事処分を受けた行為、不幸就労をあっせんするなど出入国管理行政上看過することのできない行為を行った場合は、素行が不良であると判断されます。

(審査要領)
在留資格の変更・在留期間の更新
ア 日本国の法令に違反して、懲役、禁錮又は罰金に処せられたことがある者(道路交通法違反(反則金は罰金に含まれない)又は過失により罰金に処せられた者を除く。ただし、道路交通法違反又は過失による罰金であっても繰り返し処せられた者は含む。)
 なお、懲役又は禁錮については、その執行を終わり若しくはその執行の免除を得た日から10年を経過し、又は刑の執行猶予の言い渡しを受けた場合で当該執行猶予の言渡しを取り消されることなく当該執行猶予の期間を経過したとき、また、罰金については、その執行を終わり若しくはその執行の免除を得た日から5年を経過し、又は刑の執行猶予の言い渡しを受けた場合で当該執行猶予の言い渡しを取り消されることなく当該執行猶予の期間を経過したときはこの要件を適用しない。

5号 薬物犯 
麻薬、大麻、あへん、覚せい剤又は向精神薬の取締りに関する日本国又は日本国以外の国の法令に違反して刑に処せられたことのある者
・現に薬物を所持しているだけでなく、過去に薬物犯罪歴があるだけで、上陸を禁止しています。
・「刑に処せられた者」であれば、刑が1年未満の懲役又はこれらに相当する刑であっても、罰金刑であっても対象となります。刑の軽重による制限はない。

5号の2 国際競技会・会議の妨害(フーリガン対策) 
2002年の韓国と日本で開催されたサッカーのフーリガン対策のために設けられた。
・「国際的規模で開催される競技会」オリンピックやワールドカップの大会
・国際的規模「に準ずる規模で開催される競技会」少なくとも、相当数の国の個人又はチームが当該国を代表する選手として参加するような競技会。スポーツである必要はない。
・「国際的規模で開催される会議」サミットやAPECの首脳会議、G8財務大臣会合
・応援する選手やチームが不利(経過)、競技会に負けた(結果)
・自分の考えと異なる結論になりそうなとき(経過)、異なる結論が出たとき(結果)に不法は行為に及ぶこと
・国際競技会の開催に反対であり実施を妨げる場合
「人を殺傷し、人に暴行を加え、人を脅迫し、又は建造物その他の物を損壊」
下記のいずれかに該当する者
①   日本国又は日本国以外の国の法令に違反して刑に処せられた者
②   日本の入管法の規定により本邦からの退去を強制された者
③   日本国以外の国の法令の規定によりその国から退去させられた者
・建造物等損壊罪、器物損壊罪の対象となるものも含まれる。

6号 麻薬等薬物の不法所持 
①   麻薬及び向精神薬取締法に定める麻薬若しくは向精神薬
②   大麻取締法に定める大麻
③   あへん法に定めるけし、あへん若しくはけしがら
④   覚せい剤取締法に定める覚せい剤若しくは覚せい剤原料
・「所持」は必ずしも携行している必要はなく、空港に到着した者が、航空機内に預けていた荷物に入れていて当該荷物をまだ受け取ってないような場合も該当する。
・適法に所持する場合は、対象とならない。
・刑に処せられたかどうかは関係ない。

7 売春業務従事者 
売春又はその周旋、勧誘、その場所の提供その他売春に直接に関係がある業務に従事したことがある者 
●「売春」とは、対償を受け、又は受ける約束で、不特定多数の相手方と性交することをいう。
●過去に売春に直接関係のある業務に従事したことがあるという事実をもって上陸拒否事由としており、その者が刑に処せられたか否か、更生しているかは問わない
●日本、外国を問わない。
●5年経過、又は人道上配慮すべき場合には上陸許可が得られる可能性がある。

7号の2 人身取引等 
 人身取引を行った者、人身取引を唆した者及び人身取引を助けた者も該当する。
日本、外国を問わない。

8号 鉄砲刀剣類・火薬類不法所持 
 「不法に所持する」ことが、対象となる。

9号 被退去強制者(2004年改正)
6号(麻薬、覚せい剤)及び8号(銃砲刀剣類、火薬類)の所持により、上陸拒否された者 は上陸を拒否した日から1年間 
入管法24条(退去強制)第4号のオからヨまで及び第4号の3(フーリガン等)を除いた 退去強制事由に該当して退去強制されたこと、出国命令で出国したことのない者 
 ・退去強制した日から5年間 
入管法24条(退去強制)第4号のオからヨまで及び第4号の3(フーリガン等)を除いた退去強制事由に該当して退去強制されたこと、出国命令で出国したことのない者 
・2回目以上の場合は10年間
ニ 出国命令制度(55条の31)を利用して出国した者は1年間 

9号の2 刑法の確定時本邦外にいる者 
入管法24条4号の2 刑法等違反で懲役・禁固に処せられた者 
 従来は退去強制するには、判決の確定が必要であって、判決言い渡し後、在留期限満了前に 出国した場合には、上陸拒否できなかった。 
 下記の犯罪により「懲役又は禁固に処する判決の判決の宣告を受けた者で、その後出国して 本邦外にある間にその判決が確定し、確定の日から5年を経過していないもの 

[刑法第2編]

条文

罪名

第12章

住居侵入等

第16章から第19章まで

通貨偽造等、文書偽造等、有価証券偽造等、支払用カード電磁的記録不正作出等、印章偽造等

第23章

賭博等

第26章

殺人等

第27章

傷害等

第31章

逮捕及び監禁等

第33章

略取、誘拐及び人身売買等

第36章

窃盗及び強盗等

第37章

詐欺及び恐喝等

第39章

盗品譲受け等

 [特別法]

条文

罪名

暴力行為等処罰に関する法律第1条、第1条ノ2若しくは第1条ノ3の罪

集団的な暴行・脅迫・毀棄、銃砲等による障害、常習的な障害・暴行・脅迫・毀棄

盗犯等の防止及び処分に関する法律の罪

常習特殊窃盗・強盗、常習累犯窃盗・強盗、常習特殊強盗致傷・強盗強姦

特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律第15条若しくは第16条の罪

特殊開錠用具販売・授与、特殊開錠用具所持、指定侵入工具携帯

自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律第2条若しくは第6条1項の罪

危険運転致死傷、無免許運転による加重

10 重大な退去強制事由該当者 
  入管法24条4号オからヨに該当し、本邦から退去強制された外国人。期間について制限する規定はないので、終身、上陸拒否事由に該当する。

11 暴力主義的破壊活動(国家秩序の破壊) 
①   日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て又は主張している者
②   日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て又は主張する政党その他の団体を結成し又はそのような団体に加入している者

12 暴力主義的破壊活動(公の秩序かく乱) 
イ 公務員であるという理由により、公務員に暴行を加えること又は公務員を殺傷することを勧奨する政党その他の団体
ロ 公共の施設を不法に損傷すること又は破壊することを勧奨する政党その他の団体
ハ 工場事業場における安全保持の施設の正常な維持又は運行を停廃し、又は妨げるような争議行為を推奨する政党その他の団体

13 暴力主義的破壊活動の頒布 
 第11号及び第12号に関わり、印刷物、映画その他の文書図面を作成し、頒布し、又は展示することを企てる者

14 利益公安条項 
 前各号に掲げる者を除くほか、法務大臣において日本国の利益又は公安を害する行為を行うおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者

2項 相互主義に基づく上陸拒否
 第1項に定められている上陸拒否事由のいずれにも該当しない場合でも、当該外国人の国籍又は市民権の属する国が第1項に定められている事由以外の事由によって日本人の上陸を拒否するときは、同一の事由によって当該外国人の上陸を拒否することができる。

上陸の拒否の特例 

入管法5条の2(上陸の拒否の特例) 
 法務大臣は、外国人について、5条1項第4号(懲役)、第5号(麻薬)、第7号(売春)、第9号(退去強制及び出国命令)、又は第9号の2(刑法の罪)に該当する特定の事由がある場合であっても、当該外国人に第26条第1項(再入国の許可)の規定により再入国の許可を与えた場合その他の法務省令で定める場合において、相当と認めるときは、法務省令で定めるとこ ろにより、当該事由のみによっては、上陸を拒否しないこととすることができる。 

(逐条解説)
・「再入国の許可を与えた場合」とは、例えば、正規在留中の外国人が薬物事犯により刑に処せられ、これが退去強制事由に該当して退去強制手続がとられた結果、法務大臣の在留特別許可を受けて再び正規に在留している場合でも、薬物事犯により刑に処せられたという事実は第5条第1項第5号の上陸拒否事由に該当し、無期限にその上陸が拒否されるのが原則であるところ、このような特定の事由がある外国人に対して法務大臣が再入国許可を与えた場合である。

(コンメンタール)
・精神障害者、貧困者、フリーガン、人身取引を行ったことのある場合は、この特例の対象とされていない。

法規則4条の2(上陸の拒否の特例) 
法第5条の2に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
1号 外国人について、次に掲げる在留資格をもって在留しているとき
①   上陸特別許可をした場合(第12条第1項)
②   在留資格変更許可をした場合(第20条第3項)
③   在留期間更新許可をした場合(第21条第3項)
④   永住許可をした場合(第22条第3項)
⑤   在留資格取得許可をした場合(第22条の2第3項で準用する第20条第3項)
⑥   永住者の在留資格取得許可をした場合(第22条の2第4項で準用する第22条第2項)
⑦   再入国の許可を与えた場合(第26条第1項)
⑧   在留特別許可をした場合(第50条第1項永住許可を受けている
⑨   在留特別許可をした場合(第61条の2の2第2項難民の認定をしたとき
⑩   難民旅行証明書を交付した場合(第61条の2の12第1項)
⑪    ①〜⑩までに準ずる
場合として法務大臣が認める場合で当該許可等を受ける外国人が在留資格をもって在留するときと、在留資格認定証明書を交付した場合又は旅券に日本国査証を受けた場合であって、特定事由に該当することとなってから相当の期間が経過していることその他の特別の理由があると法務大臣が認めるときが定められている。
2号 法第5条の2の規定により外国人について特定事由のみによっては上陸を拒否しないこ

ととしたときは、当該外国人に別表第1号様式による通知書を交付するものとする。

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