第一条 この条約の適用上、
 (a)「使節団の長」とは、その資格において行動する任務を派遣国により課せられた者をいう。
 (b)「使節団の構成員」とは、使節団の長及び使節団の職員をいう。
 (c)「使節団の職員」とは、使節団の外交職員、事務及び技術職員並びに役務職員をいう。
 (d)「外交職員」とは、使節団の職員で外交官の身分を有するものをいう。
 (e)「外交官」とは、使節団の長又は使節団の外交職員をいう。
 (f)「事務及び技術職員」とは、使節団の職員で使節団の事務的業務又は技術的業務のために雇用されているものをいう。
 (g)「役務職員」とは、使節団の職員で使節団の役務に従事するものをいう。
 (h)「個人的使用人」とは、使節団の構成員の家事に従事する者で派遣国が雇用する者でないものをいう。
 (i)「使節団の公館」とは、所有者のいかんを問わず、使節団のために使用されている建物又はその一部及びこれに附属する土地(使節団の長の住居であるこれらのものを含む。)をいう。
第二条 諸国間の外交関係の開設及び常駐の使節団の設置は、相互の同意によつて行なう。
第三条 1 使節団の任務は、特に、次のことから成る。
 (a)接受国において派遣国を代表すること。
 (b)接受国において、国際法が認める範囲内で派遣国及びその国民の利益を保護すること。
 (c)接受国の政府と交渉すること。
 (d)接受国における諸事情をすべての適法な手段によつて確認し、かつ、これらについて派遣国の政府に報告すること。
 (e)派遣国と接受国との間の友好関係を促進し、かつ、両国の経済上、文化上及び科学上の関係を発展させること。
2 この条約のいかなる規定も、使節団による領事任務の遂行を妨げるものと解してはならない。
第四条 1 派遣国は、自国が使節団の長として接受国に派遣しようとする者について接受国のアグレマンが与えられていることを確認しなければならない。
2 接受国は、アグレマンの拒否について、派遣国に対し、その理由を示す義務を負わない。
第五条 1 派遣国は、関係接受国に対し適当な通告を行なつた後、同一の使節団の長又は外交職員を同時に二以上の国に派遣することができる。ただし、いずれかの関係接受国が明示的に異議を申し入れた場合は、この限りでない。
2 派遣国は、同一の使節団の長を他の一又は二以上の国に派遣している場合には、その使節団の長が常駐しない各国に臨時代理大使又は臨時代理公使を首席の職員とする使節団を設置することができる。
3 使節団の長又は使節団の外交職員は、国際機関における自国の代表として行動することができる。
第六条 二以上の国は、同一の者を同時にそれぞれの国の使節団の長として他の一国に派遣することができる。ただし、接受国が異議を申し入れた場合は、この限りでない。
第七条 第五条、第八条、第九条及び第十一条の規定に従うことを条件として、派遣国は、使節団の職員を自由に任命することができる。使節団付きの陸軍駐在官、海軍駐在官又は空軍駐在官の任命については、接受国は、承認のため、あらかじめその氏名を申し出ることを要求することができる。
第八条 1 使節団の外交職員は、原則として、派遣国の国籍を有する者でなければならない。
2 使節団の外交職員は、接受国の国籍を有する者の中から任命してはならない。ただし、接受国が同意した場合は、この限りでない。接受国は、いつでも、この同意を撤回することができる。
3 接受国は、派遣国の国民でない第三国の国民についても、同様の権利を留保することができる。
第九条 1 接受国は、いつでも、理由を示さないで、派遣国に対し、使節団の長若しくは使節団の外交職員である者がペルソナ・ノン・グラータであること又は使節団のその他の職員である者が受け入れ難い者であることを通告することができる。その通告を受けた場合には、派遣国は、状況に応じ、その者を召還し、又は使節団におけるその者の任務を終了させなければならない。接受国は、いずれかの者がその領域に到着する前においても、その者がペルソナ・ノン・グラータであること又は受け入れ難い者であることを明らかにすることができる。
2 派遣国が1に規定する者に関するその義務を履行することを拒否した場合又は相当な期間内にこれを履行しなかつた場合には、接受国は、その者を使節団の構成員と認めることを拒否することができる。
第十条 1 接受国の外務省(合意により指定した他の省を含む。以下同じ。)は、次の事項について通告を受けるものとする。
 (a)使節団の構成員の任命、到着及び最終的出発又は使節団における任務の終了
 (b)使節団の構成員の家族である者の到着及び最終的出発並びに、状況に応じ、いずれかの者が使節団の構成員の家族となる事実又は家族でなくなる事実
 (c)(a)に掲げる者が雇用している個人的使用人の到着及び最終的出発並びに、状況に応じ、そのような雇用が終了する事実
 (d)接受国内に居住する者を使節団の構成員として又は特権及び免除を受ける権利を有する個人的使用人として雇用すること及びこれを解雇すること。
2 1に規定する到着及び最終的出発の通告は、可能な場合には、事前にも行なわなければならない。
第十一条 1 使節団の職員の数に関して特別の合意がない場合には、接受国は、使節団の職員の数を接受国が自国内の諸事情及び当該使節団の必要を考慮して合理的かつ正常と認める範囲内のものとすることを要求することができる。
2 接受国は、また、同様の制限の下に、かつ、無差別の原則の下に、特定の職種の職員を受け入れることを拒否することができる。
第十二条 派遣国は、接受国による事前の明示の同意を得ないで、使節団の設置の場所以外の場所に、使節団の一部を構成する事務所を設置してはならない。
第十三条 1 使節団の長は、接受国において一律に適用されるべき一般的な習律に従い、自己の信任状を提出した時又は自己の到着を接受国の外務省に通告し、かつ、自己の信任状の真正な写しを外務省に提出した時において接受国における自己の任務を開始したものとみなされる。
2 信任状又はその真正な写しを提出する順序は、使節団の長の到着の日時によつて決定する。
第十四条 1 使節団の長は、次の三の階級に分かたれる。
 (a)国の元首に対して派遣された大使又はローマ法王の大使及びこれらと同等の地位を有する他の使節団の長
 (b)国の元首に対して派遣された公使及びローマ法王の公使
 (c)外務大臣に対して派遣された代理公使
2 席次及び儀礼に関する場合を除くほか、階級によつて使節団の長を差別してはならない。
第十五条 使節団の長に与える階級は、関係国の間で合意するところによる。
第十六条 1 使節団の長は、それぞれの階級においては、第十三条の規定による任務開始の日時の順序に従つて席次を占めるものとする。
2 使節団の長の信任状の変更で階級の変更を伴わないものは、その使節団の長の席次に影響を及ぼさないものとする。
3 この条の規定は、ローマ法王の代表者の席次に関する習律で接受国が容認するものに影響を及ぼすものではない。
第十七条 使節団の外交職員の席次は、使節団の長が接受国の外務省に通告するものとする。
第十八条 使節団の長の接受に関しよるべき手続は、当該接受国において、それぞれの階級につき同一でなければならない。
第十九条 1 使節団の長が欠けた場合又は使節団の長がその任務を遂行することができない場合には、臨時代理大使又は臨時代理公使が暫定的に使節団の長として行動するものとする。その臨時代理大使又は臨時代理公使の氏名は、使節団の長又は、使節団の長がすることが不可能な場合には、派遣国の外務省が接受国の外務省に通告するものとする。
2 派遣国は、その使節団の外交職員が接受国にいない場合には、接受国の同意を得て、事務及び技術職員を使節団の日常の管理的事務の担当者に指定することができる。
第二十条 使節団及び使節団の長は、使節団の公館(使節団の長の住居を含む。)及び使節団の長の輸送手段に派遣国の国旗及び国章を掲げる権利を有する。

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