上陸特別許可制度(法12条)
 上陸特別許可は、異議の申出に対する法務大臣の裁決の特例として、外国人が上陸条件に適合していないとの特別審理官の認定に誤りがなくぃと認める場合であっても、外国人について特別に上陸を許可すべき事情があると認めるときに、法務大臣がその裁量により与える上陸許可である。

①再入国を受けているとき
②人身取引等により他人の支配下に置かれて日本に入ったものであるとき
③その他法務大臣が特別に上陸を許可すべき事情があると認めるとき

1.再入国の許可を受けているとき(法12条1項1号)
 退去強制事由には該当しないが、上陸拒否事由に該当することとなった場合、上陸拒否事由発生前に数次再入国許可を得ていた場合(「上陸拒否事由発生前再入国許可」)、いったん日本を出国した後、上陸拒否事由該当期間内に日本に再入国しようとしても、通常は上陸特別許可は得られません。
 「7−1−4」と赤字で記載された在留資格認定証明書が交付され、上陸特別許可を得て上陸した外国人については、上陸許可後に申請すれば、直ちに再入国許可が得られ、それ以降の上陸拒否期間内にする再入国の際も、原則として上陸特別許可がされます。

 (例)永住者が数次再入国許可を持っていて、自動車運転過失致傷で懲役2年執行猶予4年の有罪判決が確定。法24条④リただし書により、退去強制事由には該当せず、退去強制手続は開始されない。しかし法5条1項4号上陸拒否事由には該当します。執行猶予付きでも「処せられた」に該当する。
 ⇒執行猶予期間が満了してから、再入国許可を得て出国し、再入国の際に空港で上陸特別許可を受けて再入国します。
※上陸拒否事由発生後間もない時期であっても、特段の事情がある場合には再入国許可が得られ、再入国の際には上陸特別許可が得られることがあります。特段の事情は書面で詳細に説明する必要があります。

2.人身取引等により他人の支配下に置かれて日本に入ったものであるとき(法12条1項2号)
 
人身取引等の被害者である外国人を保護する必要があることを考慮したものである。
 人身取引議定書第7条「人身取引の被害者が一時的または恒久的に当該締結国の領域内に滞在することを認める立法その他の適当な措置をとることを考慮する」
 人身取引等により本国の生活環境から不法に引き離されてその行動に制限を加えられ、自由を奪われている状態で日本に入国したことをいいます。
 日本に入った時点では暴行・脅迫等がなくても、従前からの暴行等の影響が継続していることにより、他人の支配下から逃れられない状況が認められれば、現に監禁等されていることをい要しない。
 人身取引等の被害者は、一般的には、人身売買あっせん業者等の手引きで、売春等の目的を偽って、観光等の短期滞在や興行活動の目的で上陸申請することが多い。
 上陸を拒否して本国に送り返した場合、本国で生命、身体に危害が及ぶおそれもあります。直ちに本国に送り返すのではなく、上陸を特別に許可し、日本にある自国大使館や女性相談所等において保護措置を講じるのが相当である。

3.その他法務大臣が特別に上陸を許可すべき事情があると認めるとき(法12条1項3号)
上陸特別許可の要件(全て満たすことが必要)
①日本人、特別永住者、「永住者」、「定住者」と法的に婚姻が成立しており、婚姻信ぴょう性の立証が十分にされること

②在留資格認定証明書交付時において、退去強制後2年以上経過していること
 (配偶者との間に実子が存在する場合、退去強制及び婚姻後1年程度で許可される場合があります)
 実子が存在しない場合、退去強制後、外国の配偶者のもとを複数回訪れて会っている事実が重要。

③在留資格認定証明書交付時において、婚姻後1年以上経過していること

④執行猶予付き有罪判決を受けた後に退去強制された場合は、在留資格認定証明書交付時において、執行猶予期間も経過していること
 (ただし配偶者との間に実子が存在する場合や、実子が存在しなくてもかなり頻繁に外国の配偶者のもとを訪れる等婚姻の信ぴょう性が非常に高いと判断される場合は、執行猶予期間が経過していなくても許可される場合もあります)

上陸特別許可のポイント
必要性
「婚姻による同居を日本において可能とすべき人道上の必要性」
①婚姻の信ぴょう性(知り合ったきっかけや交際・同居・婚姻に至った経緯、二人の実際上の関係を詳細に記載することで立証)
②当事者間の信頼関係・絆の厚さ・深さ・外国で生活することの困難性(言語・文化・風習の違い、衛生事情、持病を外国で治療することの困難性等)等をできる限り具体的に、細かいエピソードもふんだんにまじえて、法務大臣の心を動かすように記載する。
③二人の間に子が生まれた事実(妊娠含む)は、婚姻の信ぴょう性や信頼関係・絆の厚さ・深さを示すものとして非常に有利な事実です。
④国際電話の回数(通話記録や電話会社ぁら送られる明細書)、手紙やメールの内容(手紙の封筒と中身のコピーやメールをプリントアウトしたもの)、生活費等の仕送りの事実(銀行等の送金記録)、外国人の本国に行った回数(結婚式を挙げた、親族に会った、一緒に生活した、写真、航空チケット、領収書)
⑤退去強制前に在留特別許可や再審情願を願い出たこと
⑥過去に上陸特別許可申請をした事実
⑦外国人の反省文
⑧入管法違反以外でも有罪判決を受けた場合は、配偶者として監督すべき立場にあったにもかかわらず、犯罪を犯させてしまったことの分析と反省(異国の地にいることによるストレスや不便さに十分配慮してあげられなかった等)、二度と犯罪を犯させないための今後の具体的な取組み(家族一緒にいる時間を取る、親族全体で外国人を温かく迎え、親族全体でバックアップする)
⑨経済生活上問題がないことを立証(在職証明書、納税証明書、所有不動産の登記簿謄本、二人が安定して同居できる住宅の賃貸借契約書) 

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