(事例1)
東南アジア出身の41歳女性
  2000年9月,本邦での稼働を目的として不法入国し,飲食店等において稼働していたところ,日本人男性と知り合い,2005年,同人と同居を開始し,婚姻した。2006年,入管法違反(不法入国)で逮捕されたが,起訴猶予処分となった。過去1回の退去強制歴はあるものの,入管法違反以外に法令違反はなく,日本人夫との同居事実は認められ,日本人夫の親族も婚姻を承知しているなど婚姻の信憑性も認められた。
在留特別許可の内容:在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」

(事例2)
東南アジア出身の母子2名(母33歳,子6歳)
  1996年9月,母は在留資格「特定活動」(外交官の家事使用人)在留期間「1年」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,本邦での稼働継続のため不法残留した。1999年,同国人男性との間に子をもうけ,子もそのまま不法残留した。その後,母及び子は,当該同国人男性と別居し,日本人男性と同居していたところ,2005年,不法残留容疑で摘発を受けた。母は,本国において同国人男性と婚姻していたことから離婚手続中である。当該日本人男性と婚姻手続は未了であるものの,子が難病に罹患し入院中であり,本国の医療事情などから,本邦での治療継続が必要であると認められた。入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:母子とも在留資格「定住者」在留期間「1年」

  (事例3)
東南アジア出身の家族3名(父42歳,母38歳,子6歳)
   母は,1990年1月,在留資格「4−1−4」(現在の「短期滞在」に相当)在留期間「30日」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,そのまま不法残留し,父は,1993年1月,在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,そのまま不法残留した。父及び母は,本邦上陸前から知り合いであり,本邦上陸後,同居を開始し,2000年,子が出生した。父は,脳出血を発症し,緊急手術を受けたものの,後遺症が残り,本邦での生活の継続を希望して出頭申告した。出頭申告後,両親は婚姻届出を行った。両親に入管法違反以外の法令違反はなく,父は,本国の医療事情などから,本邦での治療継続が必要であると認められた。
在留特別許可の内容:いずれも在留資格「定住者」在留期間「1年」

  (事例4)
中南米出身の29歳女性
  1995年3月,親族訪問のため,在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,そのまま不法残留した。パーティーで知り合った,在留資格「定住者」で正規在留中の同国人男性と交際を開始し,同居するようになった。2006年,不法残留容疑で摘発を受けた後,当該同国人男性との婚姻が成立した。入管法違反以外に法令違反はなく,同居事実は認められ,婚姻の信憑性も認められた。
在留特別許可の内容:在留資格「定住者」在留期間「1年」

  (事例5)
東南アジア出身の41歳男性
  1989年9月,他人名義旅券で不法入国後,稼働先において日本人女性と知り合い,交際を開始し,1998年,同人との間に子が出生したことに伴い,当該女性の家族との同居を開始した。2005年,入管法違反(不法入国)で現行犯逮捕後に婚姻届を提出した。入管法違反以外に法令違反はなく,日本人妻及び妻の両親らとの同居事実も認められ,子についても胎児認知されていた。
在留特別許可の内容:在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」

  (事例6)
南米出身の41歳男性
  1991年10月,他人名義旅券で不法入国後,本邦において稼働を継続していたところ,免疫不全症に罹患していることが判明し,病院に入院した。いったん退院したものの,入・退院を繰り返すこととなり,病気治療のため,本邦での在留を希望して違反事実を出頭申告した。本国の医療事情を考慮する必要があると認められた。
  なお,入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「定住者」在留期間「1年」

  (事例7)
東アジア出身の20歳男性
  1992年2月,在留資格「留学」で在留中の父を訪問するため,在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,在留資格変更許可申請等の手続を行うことなくそのまま不法残留した。2005年,本邦での在留を希望して出頭申告した。本人は,本邦において,小学校,中学校及び高校を卒業し,現在,大学に在学中であり,入管法違反以外に法令違反はなく,学費及び滞在費の支弁能力も認められた。
在留特別許可の内容:在留資格「留学」在留期間「1年」

  (事例8)
東南アジア出身の母子(母44歳,子17歳)
  1988年2月,母が,友人に紹介された日本人男性を訪問するため,在留資格「4−1−4」(現在の「短期滞在」に相当)在留期間「15日」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,そのまま不法残留し,当該日本人男性と交際して,平成元年,同人との間に子が出生した。母及び子は当該日本人男性と同居することはなかったものの,同人からの生活費の支援を受けて生活していたところ,2001年,子が当該日本人男性から認知され,2004年,本邦での在留を希望して出頭申告した。母及び子は,当該日本人男性からの生活費の支援はなくなったものの,母が稼働するほか,子も義務教育終了後,母と同居して稼働し,生計を支えている。
  なお,母及び子は入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:母・在留資格「定住者」在留期間「1年」,子・在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」

  (事例9)
東アジア出身の29歳女性
  過去に不法残留し,退去強制された後,本国において氏名を変更し,2005年9月,初回入国であると偽り,在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に上陸した。その後,前回不法残留時に知り合った日本人男性と婚姻し,在留資格変更許可申請に及んだ際に,自身が上陸拒否期間中に入国したものであることを申告したことから,在留資格「短期滞在」の上陸許可が取り消された。調査の結果,同居事実が確認されるなど,婚姻の信憑性が認められた。
在留特別許可の内容:在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」

  (事例10)
東南アジア出身の9歳男児
  1996年8月,本邦において出生後,在留資格取得手続を行うことなく不法残留した。実母には養育する意思がなく,乳児院に預けられた。1998年から日本人夫婦に養育されてきたところ,本邦での在留を希望して,養親に伴われ出頭申告した。実母は所在不明となり,実父も所在不明であって,養育してきた日本人夫婦との間に養子縁組が成立した。
在留特別許可の内容:在留資格「定住者」在留期間「1年」

  (事例11)
中南米出身の34歳男性
  2000年10月,在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,稼働目的で不法残留した。その後,本邦において知り合った正規在留中の同国人女性(日系三世)と知り合い,同居し,2005年,婚姻した後,入管法違反(不法残留)で警察に逮捕されたが,起訴猶予処分となった。入管法違反以外に法令違反はなく,同居事実が認められ,婚姻の信憑性も認められた。
在留特別許可の内容:在留資格「定住者」在留期間「1年」

  (事例12)
東南アジア出身の26歳女性
  2003年7月,在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,そのまま不法残留した。不法残留中はホステスとして稼働し,稼働先で知り合った日本人男性と交際するようになり,同人との間の子を出産したことから,2005年,本邦への在留を希望して出頭申告した。日本人男性とは出頭後に婚姻が成立しており,また,当該子については,日本人男性の胎児認知により,日本国籍を取得していることが判明した。
在留特別許可の内容:在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」

  (事例13)
東アジア出身の65歳男性
  1972年12月,不法入国後,現在まで本邦において生活していたものであり,2005年,本邦での在留を希望して出頭申告した。同人は相当期間にわたり本邦で生活し,本国に身寄りはなく,本邦での生活を希望している。入管法違反以外に法令違反はなく,生計の安定も認められた。
在留特別許可の内容:在留資格「定住者」在留期間「1年」

  (事例14)
東アジア出身の母子(母34歳,子6歳)
  1995年4月,在留資格「日本人の配偶者」在留期間「6月」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,日本人夫と離婚し,不法残留した。その後,別の日本人男性と交際し,2000年,同人との間に子をもうけた。当該子は日本人男性から認知を受けているものの,母と当該男性は婚姻に至っていない。2005年,本邦での在留を希望して出頭申告したもので,子を監護・養育している事実が認められ,入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:母・在留資格「定住者」在留期間「1年」,子・在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」

  (事例15)
東南アジア出身の37歳女性
  1996年1月,寄港地上陸許可を受けて本邦に上陸後,不法残留し,飲食店においてホステスなどとして稼働したところ,客として来店した日本人男性と知り合い,同居した。2001年,同人との間に子が出生し,2003年,当該日本人男性と婚姻し,子は日本人男性から認知を受けた。入管法違反(不法残留)以外に法令違反はなく,日本人男性及び子との同居事実は認められ,子は日本国籍を取得しており,婚姻の信憑性も認められた。
在留特別許可の内容:在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」

  (事例16)
東南アジア出身の家族4名(父45歳,母40歳,子15歳,子13歳)
  1990年7月,父及び母は,それぞれ在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,そのまま不法残留した。1991年,第一子が出生し,1993年,第二子が出生した。一家は本邦に入国以来家族生活を営み,第一子は本邦で義務教育を修了後,高校1年在学中であり,第二子は,中学1年在学中である。
  なお,入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:いずれも在留資格「定住者」在留期間「1年」

  (事例17)
東アジア出身の39歳男性
  2000年8月,在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,稼働目的で不法残留した。2003年,在留資格「永住者」で在留中の同国人女性と知り合い,2005年,同人と同居し,婚姻した後,入管法違反(不法残留)で警察に逮捕されたが,起訴猶予処分となった。入管法違反以外に法令違反はなく,同居事実が認められ,婚姻の信憑性も認められた。
在留特別許可の内容:在留資格「永住者の配偶者等」在留期間「1年」

  (事例18)
東アジア出身の32歳男性
  2001年3月,本邦での稼働を目的として,不法入国し,飲食店等において稼働していたところ,同僚であった日本人女性と知り合い,同居した。2005年,入管法違反(不法入国)で逮捕され,懲役2年6月執行猶予4年の刑に処せられ,その後,婚姻が成立した。入管法違反以外に法令違反はなく,婚姻の信憑性も認められた。
在留特別許可の内容:在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」

  (事例19)
東アジア出身の26歳男性
  2003年2月,在留資格「留学」在留期間「1年」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,そのまま不法残留した。2004年,在留資格「定住者」で正規在留中の東南アジア出身の日系三世の女性と知り合い,同居するようになり,2005年,同人との間に子が出生した。2006年,入管法違反(不法残留)で警察に逮捕され,起訴猶予処分となった後,当該日系三世と婚姻した。入管法違反以外に法令違反はなく,これまでも婚姻届出の意思はあったものの,書類の不備により提出に至らなかったものと認められ,本邦在留中の妻の親族も婚姻を承知しているなど婚姻の信憑性も認められた。
在留特別許可の内容:在留資格「定住者」在留期間「1年」

  (事例20)
東南アジア出身の27歳女性
  2000年3月,在留資格「興行」在留期間「6月」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,稼働目的で不法残留した。2001年,在留資格「永住者」で正規在留中の中南米出身の男性と知り合い,2003年から同居を開始し,2005年に同人と婚姻したものであるが,不法残留容疑で摘発された。入管法違反以外に法令違反はなく,同居事実が認められ,婚姻の信憑性も認められた。
在留特別許可の内容:在留資格「永住者の配偶者等」在留期間「1年」

  (事例21)
東アジア出身の68歳男性
  1963年ころに不法入国したとして,2005年,本邦での在留を希望して出頭申告した。現在,既に死亡している内縁の妻との間にもうけた実子と称す日本人と同居しているもので,親子関係を立証する客観的証拠はないものの,当該実子が引き続き父の面倒を見るとしている。
  なお,入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「定住者」在留期間「1年」

  (事例22)
東南アジア出身の25歳女性
  2003年9月,本邦での稼働を目的として不法入国し,その後,日本人男性と交際するようになり,同人との間に子をもうけた。当該日本人男性との婚姻には至っていないが,子は,当該日本人男性から胎児認知されていたことから日本国籍を取得した。生活費等は当該日本人男性からの支弁を受け,子の監護・養育を行っている。2005年,本邦での在留を希望して出頭申告したもので,入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「定住者」在留期間「1年」

  (事例23)
東南アジア出身の母子(母22歳,子3歳)
  2002年5月,本邦での稼働を目的として不法入国し,同年9月,本国において交際していた同国人恋人との間の子を出産した。出産後ホステスとして稼働を開始した飲食店において,客として来店した日本人男性と知り合い,2004年,子を連れて当該日本人男性と同居を開始した。2006年,不法入国容疑で摘発を受けた後,当該日本人男性との婚姻届出を行った。2年以上にわたって,子とともに同居歴があり,婚姻の信憑性も認められた。
在留特別許可の内容:母・在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」,子・在留資格「定住者」在留期間「1年」

  (事例24)
東南アジア出身の家族5名(父43歳,母40歳,子12歳,子3歳,子2歳)
  1995年6月,母が子を伴い,在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,そのまま不法残留し,父は寄港地上陸許可を受けて本邦に上陸後,不法残留した。父,母及び子は同居し,その後,本邦において第二子及び第三子が出生したことから,一家全員での在留を希望し出頭申告した。第三子は出生後難病に罹患していることが判明し,これまで3度の手術を受け,今後とも本邦での治療継続が必要であると認められた。両親は入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:いずれも在留資格「定住者」在留期間「1年」

  (事例25)
中南米出身の34歳女性
  2000年6月,本邦での稼働を目的として不法入国し,その後,在留資格「永住者」として正規在留中の日系二世の男性と知り合い,2004年から同居を開始し,2005年に同人との婚姻後,同人との同居を希望して出頭申告した。入管法違反以外に法令違反はなく,同居事実が認められ,婚姻の信憑性も認められた。
在留特別許可の内容:在留資格「永住者の配偶者等」在留期間「1年」  

      (事例1)
東アジア出身の38歳男性
  1990年1月,在留資格「4−1−16−3」(現在の在留資格「就学」に相当)在留期間「6月」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,不法残留した。1998年,日本人女性と婚姻し,1999年,在留特別許可(在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」)された。しかしながら,2001年,盗品等有償譲受,同処分斡旋により懲役2年6月執行猶予4年の刑に処せられ,また,日本人女性とは別居していることも判明したことから,在留期間更新許可申請が不許可となり,不法残留となった。その後,同居していた別の日本人女性と再婚し,日本人実子をもうけたものの,2003年,再び盗品等有償譲受で逮捕され,懲役2年4月の刑に処せられ,刑務所に服役した。2005年,再婚した日本人女性とも離婚していた。

  (事例2)
南米出身の22歳男性
  1992年3月,日系二世の父及び母とともに在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,日系三世として在留資格「定住者」への変更許可を受け,本邦の小学校に編入し,在留していたところ,14歳のころから覚せい剤取締法違反等で初等少年院,中等少年院及び特別少年院への入退院を繰り返し,2004年,覚せい剤取締法違反により懲役1年4月の刑に処せられた。覚せい剤使用の常習性が認められる。

  (事例3)
南アジア出身の26歳男性
  2002年7月,在留資格「就学」在留期間「1年」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,日本語学校に通学した。その後,専門学校への進学が認められ,在留資格「留学」へ変更許可されたものの,入学後間もなく当該専門学校を退学し,不法残留した。2005年12月に日本人女性と婚姻したところ,入管法違反で警察に逮捕されたが,起訴猶予処分となった。調査の結果,婚姻後も日本人女性と同居することなく,正規在留中の同国人叔母と同居しており,別居に合理的な理由も認められず,夫婦としての実態も認められなかった。

  (事例4)
アフリカ出身の27歳男性
  2002年5月,本邦での稼働を目的として不法入国し,2004年,日本人女性と同居を開始し,他人の身分事項で当該日本人女性と婚姻した。2005年,日本人子が出生したものの,当該日本人女性に対する暴力から,当該日本人女性及び日本人子は本人と別居した。2006年,本人は当該日本人女性への傷害により逮捕されたが,起訴猶予処分となった。調査の結果,地方裁判所において配偶者からの暴力の防止及び保護に関する法律(DV防止法)に基づく保護命令が出されており,当該日本人女性とは逮捕後離婚が成立し,日本人子の親権も当該日本人女性が有していることが判明した。

  (事例5)
東南アジア出身の41歳女性
  1995年9月,本邦に不法入国後,2000年,日本人男性と婚姻し,2001年,在留特別許可(在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」)された。その後,スナックを買い取り,経営していたところ,自身の経営する店において,同国人女性に借金を負わせて,ホステス兼売春婦として稼働させていたことから,2005年,売春防止法違反及び入管法違反(不法就労助長)により懲役2年6月執行猶予4年の刑に処せられた。
  本人は,これまでに2回退去強制手続を受けた経緯がある。

  (事例6)
東アジア出身の47歳女性
  2000年9月,在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,日本人男性と婚姻し,在留資格「日本人の配偶者等」への変更許可を受けた。2002年,窃盗及び暴行により懲役2年執行猶予4年の刑に処せられ,執行猶予期間中の2004年6月,入管法違反(不法残留)及び窃盗により懲役1年の刑に処せられ,前記執行猶予判決が取り消されて服役した。本人は,これまで日本人男性と約4か月しか同居しておらず,刑事裁判においても「婚姻の実体は失われている。」旨指摘されており,刑務所に服役中に日本人男性の面会もなかった。

  (事例7)
東アジア出身の40歳女性
  1996年11月,本邦に留学中の同国人夫との同居のため,在留資格「家族滞在」在留期間「1年」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,同国人夫と同居した。その後,同国人夫は在留資格「人文知識・国際業務」への変更許可を受けて稼働し,同国人子も来日して,3人で同居していたものの,本人は2004年6月から2005年11月まで個室マッサージ店を経営し,同年12月,風営法違反により罰金30万円の刑に処せられた。本人は,専ら収入を伴う事業を運営する活動を行っていると明らかに認められたものであり(資格外活動違反),これまでも,警察の指導を受けていたにもかかわらず,個室マッサージの経営を継続していたことが判明した。

  (事例8)
東アジア出身の22歳男性
  1998年9月,本邦において在留資格「人文知識・国際業務」で在留中の父の扶養を受けるため,在留資格「家族滞在」在留期間「1年」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,父及び母と同居した。2005年,窃盗及び詐欺により懲役2年執行猶予3年の刑に処せられた。

  (事例9)
東アジア出身の37歳女性
  1999年9月,本国において婚姻した日本人男性との同居のため在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,2002年,当該日本人男性と離婚し,別の日本人男性と婚姻した。2006年,売春防止法違反により懲役5月執行猶予3年の刑に処せられた。本人は,現在の夫である日本人男性との同居を希望したものの,直近の2年間は同居していないことが判明し,同居していないことに合理的な理由もない。

  (事例10)
南米出身の29歳男性
  1995年4月,在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,日系三世として,在留資格「定住者」への変更許可を受け,日系二世として在留していた母及び兄とともに本邦に在留していたところ,強盗致傷,銃砲刀剣類所持等取締法違反,窃盗,覚せい剤取締法違反により懲役6年の刑に処せられた。

  (事例11)
アフリカ出身の33歳女性
  2006年3月,在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,日本語学校への入学を希望したものの,既に入学手続の受付期間を終了していたことから,本邦で稼働することとし,そのまま不法残留していたところ,不法残留容疑で摘発された。本人は日本語学校への入学を希望したものの,入学手続について何ら承知せず,入学手続も行っていないことが判明した。

  (事例12)
西欧出身の26歳男性
  2004年4月,不法残留したものの,入国前から日本人女性と婚姻しており,婚姻の信憑性なども認められたことから在留特別許可(在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」)された。2005年,麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律違反により懲役1年1月の刑に処せられた。逮捕前には,日本人妻及び同人との間にもうけた子とは既に別居しており,他の日本人女性と同棲していたもので,妻との夫婦関係が実質的に破綻していた。

  (事例13)
南アジア出身の41歳男性
  1996年4月,在留資格「技能」在留期間「1年」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,コックとして稼働していたところ,稼働先が倒産し,不法残留した。不法残留後,日本人女性と婚姻したものの,入管法違反(不法残留)により警察に逮捕されたが,起訴猶予処分となった。本人は,当該日本人女性との同居を希望したが,調査の結果,本人は,過去に退去強制された経歴があることが判明した。他方,当該日本人女性は本人との離婚を考えている旨述べている。

  (事例14)
東南アジア出身の33歳女性
  1997年5月,本邦での稼働を目的として不法入国し,飲食店などにおいて稼働していたところ,2005年,日本人男性と婚姻し,同人との同居を希望して出頭申告した。その後,入管法違反(不法在留)により警察に逮捕されたが,起訴猶予処分となった。調査の結果,日本人男性の生活の本拠は,本人が供述していた居住地とは異なる実家にあるものと認められ,両名の同居事実がないことが認められた。

  (事例15)
東アジア出身の27歳男性
  2000年10月,在留資格「就学」在留期間「1年」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,日本語学校に入学し,その後,専門学校,大学に進学した。2005年,在留資格「留学」で正規在留中の同国人女性と婚姻した後,不正電磁的記録カード所持により懲役1年執行猶予3年の刑に処せられた。判決においても「不合理な弁解を繰り返し反省の情が薄い」と指摘されている。

  (事例16)
東南アジア出身の30歳女性
  2004年10月,在留資格「興行」在留期間「3月」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,稼働目的で不法残留した。不法残留中に知り合った日本人男性と同居し,2005年,婚姻し,同人との同居を希望して出頭申告した。調査の結果,当該日本人男性とは別居していたことが判明したが,別居の理由についても合理的な説明もなく,また,婚姻の信憑性に疑義が認められた。

  (事例17)
東アジア出身の34歳男性
  2006年2月,在留資格「技能」在留期間「1年」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,コックとして稼働したものの,報酬が当初の条件と異なることから退職し,以後,本国妻子への送金及び生活費を得る目的で,約半年間にわたり,専ら別の会社において青果物の仕分け,梱包,運搬等に従事(資格外活動)していた。

  (事例18)
東アジア出身の42歳男性
  2002年12月,在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,そのまま不法残留した。2004年,日本人女性と婚姻し,婚姻の信憑性が認められたことから在留特別許可(在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」)された。2006年,売春防止法違反により懲役1年6月執行猶予3年の刑に処せられたものであり,日本人女性とは,既に別居していることが判明した。

  (事例19)
東アジア出身の48歳女性
  1998年5月,不法残留中に日本人男性と婚姻し,婚姻の信憑性などが認められたことから在留特別許可(在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」)されたものの,当該男性と離婚し,再び不法残留して退去強制された。その後,船舶により不法入国し,不正に取得した日本旅券を用いて出入国を繰り返したことが発覚し,2004年,懲役2年の刑に処せられた。

  (事例20)
東アジア出身の69歳女性
  1992年5月,在留資格「短期滞在」在留期間「15日」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,そのまま不法残留し,1996年,本邦での在留を希望して出頭申告した。その後,所在不明となり,2002年,入管法違反(不法残留)で警察に逮捕されたが,起訴猶予処分となった。本国には実子がおり,本邦に在留を認めるべき理由が特に認められなかった。

  (事例21)
東アジア出身の40歳女性
  2000年12月,在留資格「短期滞在」在留期間「15日」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,そのまま不法残留し,飲食店においてホステスとして稼働した。2004年に日本人男性と婚姻し,同人との同居を希望して出頭申告した。調査の結果,日本人男性とは別居していることが判明し,別居に合理的な理由は認められず,本人も自宅から離れた場所において,週の大半を泊込みで稼働していたことを認めた。

  (事例22)
東アジア出身の34歳女性
  2003年12月,本邦に留学中の同国人夫との同居のため,在留資格「家族滞在」在留期間「2年」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,同国人夫と同居した。生活費及び本国の両親及び子への送金のため,2004年から約1年8か月間にわたり,健康マッサージ店においてマッサージ師として稼働(資格外活動)し,これまで得た報酬のうち200万円を本国に送金していたもので,報酬を受ける活動を専ら行っていると明らかに認められた。

  (事例23)
南米出身の24歳男性
  2001年4月,日系三世として在留資格「定住者」在留期間「3年」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,工員等として稼働していたところ,2003年,強制わいせつ致傷により懲役2年の刑に処せられ,刑務所に服役した。警察に逮捕される以前は日本人女性と同居していたものの,当該日本人女性は身元の引き受けを拒否した。

  (事例24)
南米出身の19歳男性
  2001年12月,日系人と偽り本邦に不法入国し,在留期間更新許可申請に及んだが,当該申請が不許可処分となり,その後,所在不明となった。2006年,入管法違反で警察に逮捕されたが,起訴猶予処分となった。逮捕後,同国人永住者との婚姻が成立したことから本邦への在留を希望したが,調査の結果,婚姻に係る夫婦間の申立てには著しい齟齬が認められ,夫婦相互の協力・扶助があるとも認められなかった。

  (事例25)
東アジア出身の24歳女性
  2001年10月,在留資格「就学」在留期間「6月」の上陸許可を受けて本邦に上陸後,日本語学校に通学していたところ,2003年,強盗致傷,強盗,窃盗により懲役4年の刑に処せられ,刑務所に服役した。本人は,判決言渡し後,日本人男性と婚姻の届出を行ったものの,在留状況が悪質であるほか,これまで日本人男性とは同居したことがなく,逮捕当時,本人は同国人恋人と同居していたことが判明した。

     (事例1)
東南アジア出身の32歳男性
  2003年2月,在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて上陸し,そのまま不法残留した。2005年,在留資格「永住者」で在留中の同国人女性と同居していたところ,2007年,入管法違反で警察に逮捕されたが,起訴猶予処分となり,その後,当該女性との婚姻が成立した。調査の結果,当該女性との同居事実は認められ,婚姻の信憑性も認められた。
在留特別許可の内容:在留資格「永住者の配偶者」在留期間「1年」

  (事例2)
東南アジア出身の27歳女性
  2004年10月,在留資格「就学」在留期間「6月」の上陸許可を受けて上陸し,日本語学校に入学したものの,不登校となり,不法残留した。2006年,在留資格「定住者」で在留中の南米出身の男性と知り合い,当該男性と同居した。2007年,入管法違反(不法残留)で警察に逮捕されたものの,刑事処分を受けることなく,当局に引き渡された。当該男性との婚姻が逮捕直後に成立し,当該男性との同居事実は認められ,婚姻の信憑性も認められた。なお,入管法以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「定住者」在留期間「1年」

  (事例3)
南西アジア出身の20歳女性
  1999年4月,親族訪問のため,在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて上陸し,そのまま不法残留した。同人は日本人と婚姻している親族と同居して,本邦の小学校,中学校,高校をそれぞれ卒業し,2006年,本邦在留を希望して出頭申告し,大学に進学した。入管法違反以外に法令違反はなく,真摯に学業を継続していたものと認められた。
在留特別許可の内容:在留資格「留学」在留期間「1年」

  (事例4)
東南アジア出身の23歳女性
  2005年6月,寄港地上陸許可を受けて上陸し,そのまま不法残留した。2006年,日本人男性と知り合い,同居し,2007年,当該日本人男性と婚姻して当局に出頭申告した。その後,入管法違反により逮捕されたものの,刑事処分を受けることなく当局に引き渡された。調査の結果,入管法違反以外に法令違反はなく,日本人夫との同居事実が認められ,婚姻の信憑性も認められた。
在留特別許可の内容:在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」

  (事例5)
東南アジア出身の家族5名(父48歳,母43歳,子15歳,子8歳,子5歳)
  1991年6月,父が寄港地上陸許可を受けて上陸し,そのまま不法残留した。1996年,母及び第一子が在留資格「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて上陸し,そのまま不法残留した。1998年に第二子が,また,2002年に第三子がそれぞれ出生し,2005年,一家5名が当局に出頭申告した。一家は本邦に入国以来家族生活を営み,第一子は本邦で義務教育を修了後,高校1年在学中であり,第二子は,小学校3年在学中であった。なお,入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:いずれも在留資格「定住者」在留期間「1年」

  (事例6)
西南アジア出身の40歳男性
  1992年2月,在留資格「短期滞在」在留期間「15日」の上陸許可を受けて上陸し,そのまま不法残留した。2000年,日本人女性と婚姻した後,退去強制手続が執られたが,在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」で在留が特別に許可された。2005年,覚せい剤を使用したとして,覚せい剤取締法違反により逮捕され,懲役1年6月,執行猶予4年の刑に処せられた。調査の結果,日本人妻との婚姻の信憑性は認められ,また,日本人妻は難病に罹患していることが判明した。
在留特別許可の内容:在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」

  (事例7)
南アジア出身の46歳男性
  1995年9月,稼働目的で不法入国し,1998年,在留資格「永住者」で在留中の東南アジア出身の女性と知り合い,2000年,当該女性及び当該女性の実子と同居を開始した。2007年,入管法違反で警察に逮捕され,懲役2年6月,執行猶予3年の刑に処せられた。当該女性とは逮捕された直後の婚姻であったものの,同居事実は認められ,婚姻の信憑性も認められた。なお,入管法以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:在留資格「永住者の配偶者」在留期間「1年」

  (事例8)
東南アジアの家族3名(父41歳,母39歳,子15歳)
  1990年7月,母が不法入国し,同年9月,父が「短期滞在」在留期間「90日」の上陸許可を受けて本邦に上陸し,そのまま不法残留した。父母は,本邦において知り合い,同居して,1991年には子が出生し,1995年,父母が婚姻した。子は,本邦の小学校及び中学校を卒業し,高校1年在学中であった。なお,入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:いずれも在留資格「定住者」在留期間「1年」

  (事例9)
東南アジア出身の母子(母26歳,子1歳)
  2003年11月,母が在留資格「興行」在留期間「6月」の上陸許可を受けて本邦に上陸し,そのまま不法残留した。2005年,母は,日本人男性との間に子を出産したものの,当該男性とは婚姻に至らず,子は当該男性からの認知も受けなかった。2006年,不法残留容疑により当局の摘発を受けたところ,子は,先天性の難病に罹患し,本国での治療は困難であると認められた。なお,入管法違反以外に法令違反はない。
在留特別許可の内容:いずれも在留資格「特定活動」在留期間「1年」

  (事例10)
東南アジア出身の31歳女性
  2003年8月,かつて来日した際に知り合って,交際していた日本人男性との同居を目的に不法入国し,当該日本人男性と同居した。2004年,当該日本人男性との間の子を妊娠し,当該日本人男性から胎児認知を受け,出産したが,当該日本人男性は詐欺により警察に逮捕され,刑務所に服役した。2006年,入管法違反により逮捕され,その後,起訴猶予処分となった。調査の結果,入管法違反以外に法令違反はなく,当該日本人男性とは婚姻していないものの,日本人として出生した子を監護・養育していることが認められた。
在留特別許可の内容:在留資格「定住者」在留期間「1年」

     (事例1)
東アジア出身の30歳女性
  2002年4月,在留資格「就学」在留期間「6月」の上陸許可を受けて上陸し,日本語学校に入学した。2003年,日本人男性と婚姻し,2004年,在留資格「日本人の配偶者等」への変更許可を受けたものの,当該日本人男性と離婚して,2005年,別の日本人男性と婚姻し,風俗店の経営を開始した。2007年,売春防止法違反により,懲役1年6月,執行猶予3年の刑に処せられた。調査の結果,当該風俗店において,他の外国人を不法就労させていたことが判明し,日本人夫との夫婦としての実態も認められなかった。

  (事例2)
南アジア出身の28歳男性
  2004年5月,寄港地上陸許可を受けて上陸し,そのまま不法残留した。2007年,入管法違反により警察に逮捕され,その後,刑事処分を受けることなく当局に引き渡された。退去強制手続中に在留資格「永住者」で在留中の東南アジア出身の女性との婚姻が成立したが,調査の結果,同人は別の東南アジア出身の女性らと同居するなど,婚姻の信憑性が認められなかった。

  (事例3)
南米出身の38歳男性
  2002年7月,日系3世として在留資格「定住者」在留期間「3年」の上陸許可を受けて上陸した。2005年,窃盗により懲役1年2月の実刑判決の言渡しを受け,服役した。その後,仮釈放により出所し,同国人恋人との婚姻を希望したものの,これまで窃盗により2回の執行猶予判決を受け,退去強制手続を執られたのも2回目であり,また,当該同国人恋人には婚姻意思のないことが判明した。

  (事例4)
東アジア出身の家族3名(父38歳,母34歳,子8歳)
  1995年9月,父が不法入国し,1998年3月,母が在留資格「短期滞在」在留期間「15日」の上陸許可を受けて上陸し,そのまま不法残留した。1998年に父母が知り合い,同居して,1999年6月,子が出生した。2000年1月,父は他人の身分事項のまま退去強制されたものの,その直後に真正な身分事項で,在留資格「短期滞在」在留期間「15日」の上陸許可を受けて上陸し,そのまま不法残留した。2007年,当局の摘発により退去強制手続が執られ,子は小学2年在学中であり,父は,このほかにも退去強制歴があることが判明した。

  (事例5)
南アジア出身の31歳男性
  2002年11月,在留資格「短期滞在」在留期間「90日」での上陸許可を受けて上陸し,そのまま不法残留した。2007年,日本人女性と知り合い,当該日本人女性と婚姻後,入管法違反及び銀行法違反により警察に逮捕され,懲役2年6月,執行猶予5年,罰金30万円の刑に処せられた。調査の結果,当該日本人女性とは,1週間同居したものの,その後,同居を解消しており,夫婦としての実態も認められなかった。

  (事例6)
東アジア出身の48歳男性
  1999年4月,在留資格「人文知識・国際業務」在留期間「1年」の上陸許可を受けて上陸し,貿易及び翻訳業務に従事したものの,勤務先の経営状態が悪化したことから,勤務先に出社することなく,風俗店従業員として稼働を開始し,2007年,資格外活動容疑により当局の摘発を受けた。調査の結果,半年間にわたり,専ら風俗店従業員として報酬を受ける活動を行っているものと認められた。

  (事例7)
東アジア出身の31歳女性
  2005年,本国において日本人男性と婚姻し,2006年2月,在留資格「日本人の配偶者等」在留期間「1年」の上陸許可を受けて上陸したものの,当該日本人男性と離婚し,別の日本人男性と婚姻して,風俗店の経営を開始した。2007年,売春防止法違反により懲役1年6月,執行猶予3年の刑に処せられた。調査の結果,日本人夫との婚姻が安定かつ成熟しているものとは認められなかった。

  (事例8)
東アジア出身の23歳女性
  2003年4月,在留資格「就学」在留期間「1年」の上陸許可を受けて上陸し,日本語学校に入学した。2005年,日本人男性と婚姻し在留資格変更許可申請に及んだものの,不許可となり,当該日本人男性とは離婚して不法残留した。2007年,在留資格「永住者」の同国人男性と婚姻し,その後,入管法違反により警察に逮捕されたが,起訴猶予処分となった。調査の結果,同居している旨申し立てていた当該同国人男性との同居事実は認められず,当該男性が申し立てた勤務先も1年以上前に解雇されていたことが判明した。

  (事例9)
東南アジア出身の家族3名(父37歳,母36歳,子7歳)
  1990年11月,父が寄港地上陸許可を受けて上陸し,そのまま不法残留した。1996年5月,母が在留資格「興行」在留期間「3月」の上陸許可を受けて上陸し,その後,不法残留した。1998年,父母は知り合い,同居して,2000年1月,子が出生した。2007年,当局の摘発により退去強制手続が執られた。父母は婚姻しておらず,子は小学2年在学中であった。

  (事例10)
東アジア出身の41歳女性
  2001年10月,船舶で不法入国し,翌年,日本人男性と知り合い,同居したものの,2006年,マッサージ店に住み込みで稼働を開始して,当該男性とは別居した。2007年,入管法違反(不法在留)により懲役2年6月,執行猶予5年の刑に処せられた。調査の結果,当該日本人男性との婚姻は成立したものの,夫婦としての実態が認められなかった。
  なお,同人は,過去にも不法入国したことにより退去強制されていた。
 

退去強制事由
1.不法入国
①自分自身の有効なパスポートを持たずに日本に入国すること。
  • 貨物船や漁船などにこっそりと乗り込み、部屋や荷物室に隠れて来日する「密航」。
  • 最近では、偽造したパスポートや他人のパスポートを使って、空や海の出入国港から、入国審査官の目を欺いて日本に入国。
②有効なパスポートを所持していても、入国審査官から上陸許可の証印又は上陸の許可を受けないで日本に上陸する目的を有する人が日本の領域に入ること。
  • 有効なパスポートは持っているが、不法に上陸することを意図して集団密航者の一人として入国。
  • 有効なパスポート上の自分の名前では入国できそうにないので、他人名義のパスポートを使って入国。

 

2.不法上陸
①有効なパスポートや船員手帳を持ってはいるが、入国審査官の許可を得ずに日本に上陸した人。
  • 日本の港に停泊中の船の外国人船員が、船から逃げ出して不法上陸するケース

 

3.不法残留
①在留期間を超えてしまった後も日本に残留を続けていること。
②外国人夫婦の間で子供が生まれた場合や、日本人であった人が日本国内で外国人になった場合(日本国籍を離脱した人)、生まれた日や日本国籍を離脱した日から60日を超えて引き続き日本に在留しようとする場合は、30日以内に在留資格の取得の申請を行わなければなりません。
 
4.資格外活動
  • 外国人が付与された在留資格の本来の活動を阻害するほど、その在留資格では認められていない就労活動を専ら行っていた場合。

 

5.その他
①日本の風俗、秩序、治安に悪影響を及ぼす行為をしたり、刑事手続において、ある一定の刑罰に当てはまる場合。
  • 麻薬関係違反で有罪
  • 集団密航の助長等の罪で刑に処せられた場合
  • 刑法等で1年を超える懲役・禁固、少年法で3年を超える懲役・禁固に処せられた場合
  • 売春に直接に関係がある業務に従事

 

◎不法就労
①在留活動に基づいて行うことができる活動の範囲を超えた就労活動を、資格外活動の許可を受けないで行うこと。
  • 観光目的で来日し、上陸審査において入国審査官から在留資格「短期滞在」、在留期間「90日」の上陸許可を受け、日本に在留することとなった外国人が、在留期間のある間に、「資格外活動許可」を受けないで、飲食店や事業所などで収入や報酬を得るための活動を行った場合
  • 不法滞在者(「不法入国者」「不法上陸者」「不法残留者」)が働いて収入や報酬を得ている場合

外国人の退去強制と出国命令のフローチャート


違反調査・出頭 
(1)違反調査
違反調査とは,退去強制手続の第一段階であり,退去強制事由(入管法第24条に規定)に該当すると思われる外国人に対して,入国警備官が行います。

 

(2)出頭申告
ア    出頭申告とは,刑事手続における「自首」と同じように,退去強制事由(入管法第24条各号に規定)に該当する外国人が,自ら地方入国管理局に出頭してその容疑を申告することをいいます。
イ    出頭申告には,容疑を申告し退去強制手続を受けて早く帰国したいという場合と,容疑を申告しても日本に引き続き在留したいという場合があります。早期に帰国を希望する場合には,一連の退去強制手続を終え,送還要件(旅券,航空券など)が整っていれば,速やかに送還先に退去させます。なお,一定の要件を満たす不法残留者は退去強制ではなく出国命令の対象となります。
ウ    何らかの理由により日本での在留を希望する場合は,退去強制手続の中において,日本で生活をしたい理由を具体的に申し立て在留を希望することができます。
日本での在留が特別に認められるか否かは,違反調査,違反審査,口頭審理を経て,最終的に法務大臣の裁決により決定されます。日本での在留を希望する場合には,その理由によって提出していただく資料なども異なってきますので,まずはお近くの地方入管局に当該外国人が出頭した上で十分な説明を受けるようにしてください。

 

 

 

 

収容、面会・差入れ、仮放免 

(1)収容
違反調査の結果,容疑者が退去強制事由に該当すると疑う相当の理由があれば,地方入国管理局の主任審査官が発付する収容令書により容疑者を収容することとなります。ただし,容疑者が出国命令対象者に該当すると認めるに足りる相当の理由があるときを除きます。

(2)面会・差入れ
収容令書又は退去強制令書により入国者収容所や地方入管局の収容場に収容されている外国人(以下「被収容者」といいます。)との面会の手続や差入れの際の留意事項等の説明を行っていますが,収容施設の実情により取扱時間等が若干異なる場合もありますので,詳細につきましては,各収容施設に必ずご確認ください。
○面会案内
1 被収容者との面会又は物品の授受を希望される方は,受付に申し出て必要な手続をとってください。
2 面会を希望される方は,外国人登録証明書又は旅券その他身分を証明する文書を提示してください。
3 面会の受付は,土曜日,日曜日及び休日を除く日の原則として9時から12時まで及び13時から16時までですが,収容施設により異なる場合もありますので,各収容施設にご確認下さい。
4 面会時間は,原則として30分以内です。ただし,面会を希望される方が多い場合などは、より多くの方が面会できるよう,それぞれの面会時間が短縮されることもありますのでご了承下さい。
5 面会の際には,カメラ,ビデオカメラ,録音機及び携帯電話の持込みや使用はご遠慮願います。
○面会者心得
1 面会時間を厳守すること。
2 係官に無断で物品の授受を行わないこと。
3 暗号,隠語等を使用し,又はその他の方法で通謀を図ろうとする行動をとらないこと。
4 以上のほか,すべて係官の指示に従うこと。
以上の各項目に違反した場合は,面会を中止させていただくことがあります。
○差入れの際の留意事項
基本的に,次に該当する物については,収容居室内への持ち込みはできません。
また,飲食物についても保安上,衛生上の理由によりお断りする場合があります。具体的な差入れの可否につきましては各収容施設にご確認ください。
1 刃物類その他の用法により凶器や逃走に利用されるおそれがある金属製品,ガラス製品及びひも類等
2 発火器具,引火物その他火災等の原因となるおそれのあるもの
3 劇毒物,睡眠薬,鎮静剤その他生命身体を害するおそれのある医薬品
4 酒類その他のアルコール含有飲食物

(3)仮放免
被収容者について,請求により又は職権で,一時的に収容を停止し,身柄の拘束を仮に解く措置です。
収容令書による収容期間は「30日(但し,主任審査官においてやむを得ない事由があると認めるときは,30日を限り延長することができる)」,退去強制令書による収容は「送還可能のときまで」と定められていますが,被収容者の健康上の理由,出国準備等のために身柄の拘束をいったん解く必要が生じることもありますので,そのような場合に対応するために設けられた制度です。
なお,仮放免の手続については次のとおりです。
ア    仮放免の請求
○    仮放免を請求できる人
被収容者本人又はその代理人,保佐人,配偶者,直系の親族若しくは兄弟姉妹と定められています。
○    仮放免の請求先
被収容者が入国者収容所に収容されている場合は当該入国者収容所長に,また,地方入国管理局の収容場に収容されている場合は当該収容場を所管する地方入国管理局の主任審査官に対して請求することになります。
なお,仮放免の請求に当たっては,仮放免が許可された場合に,被仮放免許可者の仮放免中の身元引き受け及び法令の遵守等の指導を確実に行っていただくための,身元保証人を決めていただく必要があります。
○    提出書類
仮放免許可申請書一通のほか,仮放免を請求する理由を証明する資料,身元保証人に関する資料等が必要となりますので,詳細については,仮放免の請求を行おうとする入国者収容所又は地方入国管理局にお問い合わせください。

イ    仮放免の許可
仮放免の請求があった場合は,入国者収容所長又は主任審査官が,被収容者の情状及び仮放免の請求の理由となる証拠並びにその者の性格,資産等を考慮して,その者を仮放免することができると定められております。
入国者収容所長又は主任審査官は,仮放免の許可に際して,300万円以下の保証金を納付させ,かつ,住居及び行動範囲の制限,呼出しに対する出頭の義務その他必要と認める条件を付するものとされております。
なお,保証金については,入国者収容所長又は主任審査官が適当と認めたときに限り,被収容者以外の者が差し出した保証書をもって保証金に代えることを許すことができますが,保証書には,保証金額及びいつでもその保証金を納付する旨を記載しなければなりません。
ウ    仮放免の取消
○    取消事由
仮放免許可を受けた外国人が,①逃亡した,②逃亡すると疑うに足りる相当の理由がある,③正当な理由がないのに呼出しに応じない,④仮放免に付された条件に違反したときは,入国者収容所長又は主任審査官は,仮放免を取り消すことができると定められています。
○    収容
仮放免が取り消された場合,仮放免されていた者は,収容令書又は退去強制令書により,入国者収容所,地方入国管理局の収容場その他法務大臣又はその委任を受けた主任審査官が指定する場所に再び収容されることとなります。
○    保証金の没取
仮放免が取り消されたときは,仮放免されたときに納付した保証金が没取されることになります。没取には全部没取と一部没取があり,取消しの理由が,前記①及び③の場合は保証金の全額,その他の理由による取消しの場合は保証金の一部が没取され,一部没取の場合における金額は,事情に応じて入国者収容所長又は主任審査官が決定することとなります。
エ    その他
退去強制令書により収容されていた者が仮放免中に自費出国する場合,又は仮放免の許可に期限が付されている場合であって,期間満了により再度収容されたときは,仮放免の取消しではないので,保証金は全額還付されます。

引渡・違反審査・口頭審理・異議申出・裁決・在留特別許可 

(1)引渡(入管法第44条)
入国警備官は,違反調査により容疑者を収容したときは,身体を拘束した時から48時間以内に,調書及び証拠物とともに,その容疑者を入国審査官に引き渡さなければならないとされています。これを「引渡し(ひきわたし)」と呼んでいます。この引渡しを受けた入国審査官は,入国警備官の行った違反調査に誤りがなかったかどうかなどについて審査することになります。
なお,入管法第63条には,容疑者が刑事処分等により身柄を拘束されているとき(未決勾留,服役中など)には,収容令書により身柄を拘束しないときでも退去強制手続を行うことができる旨の規定があり,容疑者を収容しないまま,違反調査を行い,入国警備官から入国審査官に事件を引き継ぐことがあります。これを「引継ぎ(ひきつぎ)」と呼んでいます。この引継ぎを受けた入国審査官は,入国警備官の行った違反調査に誤りがなかったかどうかなどについて審査することになります。

(2)違反審査(入管法第45条から第47条)
入国警備官から容疑者の引渡しを受けた入国審査官は,容疑者が退去強制対象者(退去強制事由のいずれかに該当し,かつ,出国命令対象者に該当しない外国人をいいます。)に該当するかどうかを速やかに審査しなければならないとされています。
   入国審査官が,容疑者が退去強制対象者に該当すると認定し,容疑者がそれを認めて帰国を希望するときは,退去強制令書が主任審査官によって発付され,その外国人は退去強制されることになります。
一方,容疑者がその認定が誤っていると主張したり,あるいは,誤ってはいないが,日本での在留を特別に認めてもらいたいと希望するときは,第2段階の審査に当たる口頭審理を請求することができます。
なお,違反審査の結果,その容疑者が退去強制事由のいずれにも該当しないことが分かり入国審査官がそのことを認定した場合や入国審査官がその容疑者が出国命令対象者に該当すると認定し,主任審査官から出国命令を受けたときは,入国審査官は直ちにその者を放免しなければならないとされています。

(3)口頭審理(入管法第48条)
入国審査官が退去強制対象者に該当すると認定した場合で,容疑者がその認定が誤っていると主張したり,あるいは,誤ってはいないが,日本での在留を特別に認めてもらいたいと希望するときは,認定の通知を受けた日から3日以内に口頭をもって特別審理官に対し,口頭審理を請求し,これに基づき,審問が行われることとなっています。これが特別審理官による口頭審理です。特別審理官は,法務大臣が指定する上級の入国審査官です。
特別審理官は,入国審査官の行った認定に誤りがあるかどうかを判定します。特別審理官が入国審査官の認定に誤りがないと判定し,容疑者がそれを認めて帰国を希望するときは,退去強制令書が主任審査官によって発付され,我が国から退去強制されることになります。
一方,容疑者がその判定が誤っていると主張したり,あるいは,誤ってはいないが在留を特別に認めてもらいたいと希望するときは,第3段階の審査に当たる法務大臣への異議の申出を行うことができます。
また,口頭審理の結果,退去強制事由のいずれにも該当しないことが分かり特別審理官がそのような判定をした場合や特別審理官がその容疑者が出国命令対象者に該当すると判定し,主任審査官から出国命令を受けたときは,特別審理官は直ちにその者を放免しなければならないと規定されています。
なお,口頭審理において,容疑者又はその代理人は,証拠を提出し,証人を尋問し,また,容疑者は特別審理官の許可を受けて親族又は知人の1人を立ち会わせることができます。他方,特別審理官は,証人の出頭を命じ,宣誓をさせ,証言を求めることができることとなっています。

(4)異議の申出(入管法第49条)
入国審査官の認定,そして特別審理官の判定を経て,容疑者が,その判定が誤っていると主張したり,あるいは,誤ってはいないが日本での在留を特別に認めてもらいたいと希望するときは,その判定の通知を受けた日から3日以内に不服の事由を記載した書面を主任審査官に提出して,最終的な判断を法務大臣に求めることができます。これが異議の申出です。
異議の申出は,特別審理官のさらに上級の入国審査官である主任審査官が法務大臣に書類を送付して行います。主任審査官とは,最も上級の入国審査官の一つであり,法務大臣が指定します。

(5)法務大臣の裁決(入管法第49条)
異議の申出を受理した法務大臣は,直接容疑者を取り調べることはしませんが,入国警備官の違反調査,入国審査官の違反審査,そして特別審理官の口頭審理という一連の手続で作成された証拠(事件記録)を調べて裁決することになります。
そして,法務大臣が異議の申出に理由がないと裁決した場合は,主任審査官にその旨を通知することによって,主任審査官が退去強制令書を発付することになります。
一方,主任審査官は,法務大臣から容疑者が退去強制事由のいずれにも該当しないとして異議の申出が理由があると裁決した旨の通知を受けたときや容疑者が出国命令対象者に該当するとして異議の申出が理由があると裁決した旨の通知を受けて出国命令をしたときは,直ちにその者を放免しなければならないと規定されています。

(6)在留特別許可(入管法50条)
法務大臣は,異議の申出に理由がないと認める場合でも,次のような場合には,在留を特別に許可できるとされています。この法務大臣の裁決の特例が,在留特別許可です。
*   永住許可を受けているとき(入管法第50条第1項第1号)
*   かつて日本国民として本邦に本籍を有したことがあるとき(同項第2号)
*   人身取引等により他人の支配下に置かれて本邦に在留するものであるとき(同項第3号)
*   その他法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めるとき(同項第4号)
この在留特別許可は,本来であれば我が国から退去強制されるべき外国人に対して,法務大臣が在留を特別に許可することができるとされているものであり,許可を与えるか否かは法務大臣の自由裁量にゆだねられています。

(7)退去強制令書の発付(入管法第51条ほか)
入国審査官の認定又は特別審理官の判定に服したことの知らせを受けるか,あるいは法務大臣への異議の申出に対して理由がない旨の裁決の通知を受けたときに,主任審査官が発付するのが退去強制令書です。
一連の退去強制手続で「容疑者」と呼ばれた外国人は,この退去強制令書が発付されたときから容疑者ではなく「退去強制される者」(以下「被退去強制者」といいます)となり,我が国から退去させられることが確定した人となります。


退去強制令書の執行・送還・自費出国 

(1)退去強制令書の執行
退去強制令書が発付されると,入国警備官は,退去強制を受ける外国人に退去強制令書又はその写を示して,速やかにその外国人を送還しなければなりません。
また,退去強制令書の発付を受けた外国人である「被退去強制者」を直ちに我が国から送還することができないときは,送還可能のときまで,その者を入国者収容所,地方入国管理局の収容場その他法務大臣又はその委任を受けた主任審査官が指定する場所に収容することができるとされています。

(2)送還
ア  送還先
被退去強制者を送還する先は,その者の国籍又は市民権の属する国が原則ですが,国籍国等に送還することができないときは,本人の希望により,
①我が国に入国する直前に居住していた国
②我が国に入国する前に居住していたことのある国
③我が国に向けて船舶等に乗った港の属する国
④出生地の属する国
⑤出生時にその出生地の属していた国
⑥その他の国
 のいずれかに送還されることとなります。
しかし,本人が①から⑥までのいずれかの国への送還を希望しても,相手国が受け入れを認めなければ,送還することはできません。
なお,法務大臣が我が国の利益又は公安を著しく害すると認める場合を除き,送還先の国には,難民条約第33条第1項(いわゆる,ノン・ルフールマンの原則)に規定する領域,すなわち,政治的意見等を理由にその生命又は自由が脅威にさらされるおそれのある領域の属する国を含まないものとされています。
イ  送還方法
送還には,大別して,自費出国,運送業者の負担による送還,国費送還の三形態があります。当局では,国費送還が国民の皆様の貴重な税金によりまかなわれていることはもとより,不法就労を始め不法入国や不法残留等の入管法違反の防止を図る観点から,自費出国が可能な被退去強制者については,極力その努力を促し,帰国用航空券又は帰国費用の工面ができないため送還が困難となっている者,あるいは,特に人道的配慮から早期送還が必要不可欠と思料される者等についてのみ,国費送還の措置を執り,円滑な送還に努めることとしております。
なお,「運送業者の負担による送還」の対象となるのは,
①一般の上陸審査の過程において上陸を拒否された者
②入管法第24条第5号から第6号の2までのいずれかに該当して本邦から退去強制される者
です。
また,上陸後5年以内に入管法第24条各号の一に該当して退去強制される者のうち,その者が上陸するときに運送業者がその者が退去強制の理由となる事実があることを明らかに知っていたと認められる場合も,この送還の対象となります。

(3)自費出国
ア    自費出国の許可
入国者収容所長又は主任審査官が,被退去強制者の自費出国を許可するに当たっては,被退去強制者が,我が国から退去する意思を有しているだけでは足りず,被退去強制者が所持する旅券,航空券及び所持金その他の状況から,自らの費用負担による確実な出国が具体的に可能であることが確認できなければなりません。
イ    送還に必要な要件
速やかな自費出国を実現するためには,有効な旅券,送還先まで搭乗が可能な航空券若しくは送還先までの航空券購入が可能な金額の所持金が不可欠です。

出国命令(入管法第24条の3及び第55条の2から第55条の6) 

(1)出国命令制度の創設
退去強制手続においては,本邦からの出国を希望して自ら地方入国管理局に出頭した入管法違反者についても,摘発された場合と同様に身柄を収容した上で一連の手続を行う必要がありますが(全件収容主義),従前から,近日中に出国することが確実と認められるものについては,退去強制令書の発付後に自費出国許可(入管法第52条第4項)及び仮放免許可(入管法第54条第2項)を行った上で,事実上その身柄を収容しないまま本邦から出国させる措置が実施されていました。また,不法滞在者の大幅な削減のためには,その自主的な出頭を促進する必要もあります。そこで,平成16年の入管法改正において,入管法違反者のうち,一定の要件を満たす不法残留者について,全件収容主義の例外として,身柄を収容しないまま簡易な手続により出国させる出国命令制度が創設されました(同年12月2日施行)。

(2)出国命令対象者(入管法第24条の3)
出国命令対象者は,不法残留者(入管法第24条第2号の3,第4号ロ又は第6号から第7号までのいずれかに該当する外国人)であることが前提ですが,加えて,
①  出国の意思をもって自ら入国管理官署に出頭したものであること
②  不法残留以外の退去強制事由に該当しないこと
③  窃盗罪等の一定の罪により懲役又は禁錮に処せられたものでないこと
④  過去に退去強制されたこと又は出国命令を受けて出国したことがないこと
⑤  速やかに本邦から出国することが確実と見込まれること
のすべての要件を満たしていることが必要です。

(3)出国命令に係る審査(入管法第55条の2)
入国警備官は,容疑者が出国命令対象者に該当すると認めるに足りる相当の理由があるときは,入管法第39条の規定にかかわらず,全件収容主義の例外として,容疑者を収容しないまま,当該容疑者に係る違反事件を入国審査官に引き継ぐことになります。また,違反事件の引継ぎを受けた入国審査官は,当該容疑者が出国命令対象者に該当するかどうかを速やかに審査することになります。そして,入国審査官は,上記の審査の結果,当該容疑者が出国命令対象者に該当すると認定したときは,速やかに主任審査官にその旨を知らせることになります。
なお,入国審査官は,当該容疑者が退去強制対象者に該当すると疑うに足りる相当の理由があるときは,その旨を入国警備官に通知するとともに,当該違反事件を入国警備官に差し戻すものとされており,差戻し後は,退去強制手続が執られることとなります

(4)出国命令(入管法第55条の3)
入国審査官から容疑者が出国命令対象者に該当する旨の通知を受けた主任審査官は,速やかに当該通知に係る容疑者に対し,15日を超えない範囲内で出国期限を定め,所定の出国命令書を交付して,本邦からの出国を命じることになります。また,主任審査官は,出国命令をする場合には,当該容疑者に対し,住居及び行動範囲の制限その他必要と認める条件を付することができます。

(5)出国命令の取消し(入管法第55条の6)
主任審査官は,出国命令を受けた者が当該命令に付された条件に違反したとき(例えば,就労禁止の条件に違反して就労した場合等)は,当該出国命令を取り消すことができます。また,出国命令を取り消された者は退去強制の対象となるほか,出国命令を取り消された者で本邦に残留するものは刑事罰の対象となります。

(6)出国期限が経過した場合の措置
出国命令に係る出国期限を経過して本邦に残留する者は退去強制の対象となるほか,刑事罰の対象となります。

(7)出国命令を受けて出国した者の上陸拒否期間
出国命令を受けて日本から出国した者は,原則として出国した日から1年間は日本に入国できません。

外国人の退去強制と出国命令 Q&A 

(出頭申告)
Q1    在留期限を超えて不法残留していますが,入管局に出頭して今後も引き続き日本での生活を求める手続を行っていますので,法律的には何の問題も無くなったのでしょうか
A    出頭申告された方の中には「入管局に不法残留等を申告したので,法律的には何の問題もなくなった。法違反の状態は解消された。」と誤解される方が多いようです。
入管局に外国人の方が出頭申告しても,直ちに不法残留等の状態が解消されたわけではなく,法務大臣から特別に在留が認められない限り,入管法に違反している状態に変わりはないということです。
したがって,法務大臣の判断がくだされるまでは,原則的には,就労も認められていませんので,働いている工場や会社などで入管法違反により摘発されることもあります。


Q2    日本から退去強制された者や出国命令を受けて出国した者が,再び日本に入国することは可能ですか。
A    日本から不法残留等を理由に退去強制された者や出国命令を受けて出国した者は,入管法の規定に基づき,原則として,一定期間(これを上陸拒否期間と言います。)日本に上陸することはできません。具体的には以下のとおりです。
①    いわゆるリピーター(過去に日本から退去強制されたり,出国命令を受けて出国したことがある者)の上陸拒否期間は,退去強制された日から10年
②    退去強制された者(①の場合を除く)の上陸拒否期間は,退去強制された日から5年
③    出国命令により出国した者の上陸拒否期間は,出国した日から1年
また,日本国又は日本国以外の法令に違反して1年以上の懲役又は禁錮等に処せられた者や麻薬,大麻,あへん,覚せい剤等の取締りに関する法令に違反して刑に処せられた者は,上陸拒否期間に定めはなく,日本に上陸することができません。


Q3    入管局に出頭する場合には,どのようなものを準備すればよいですか。
A    出頭する場合には,旅券を持参してください。なお,旅券を紛失するなどして所持していない方は,身分を明らかにする証明書があれば持参してください。帰国を希望する場合は,原則として有効な旅券を持参してください。また,旅券のほかに,帰国のための航空券や旅行代理店が発行した航空券予約確認書が必要となりますが,不法残留等の状態や他の法令に違反している場合には,調査日数に時間を要し,事前に準備していただいた航空券が使用できなくなることも考えられますので,まずは,お近くの入管局に出頭した上で,お問い合わせください。


(出国命令) Q4 「出国命令制度」とは,どのようなものでしょうか。
A    出国命令制度は,入管法違反者のうち,一定の要件を満たす不法残留者について,身柄を収容しないまま簡易な手続により出国させる制度です。
出国命令の対象者については入管法第24条の2に規定されていますが,具体的には次のいずれにも該当する不法残留者です。
①    速やかに日本から出国する意思をもって自ら入国管理官署に出頭したこと
②    不法残留以外の退去強制事由に該当しないこと
③    入国後に窃盗罪等の所定の罪により懲役又は禁錮に処せられていないこと
④    過去に退去強制されたこと又は出国命令を受けて出国したことがないこと
⑤    速やかに日本から出国することが確実と見込まれること


Q5 「出国命令制度」の適用を受けることを希望する場合は,どこに出頭すればよいのですか。
A    出頭者に対する違反調査は,原則として8か所の地方入国管理局(札幌,仙台,東京,名古屋,大阪,広島,高松,福岡),3か所の地方入国管理局支局(横浜,神戸,那覇)及び2か所の出張所(下関,鹿児島)で行いますので,これらの地方入国管理局等に出頭してください。 
なお,上記以外の最寄りの入国管理官署に平日の執務時間内に出頭された場合,当該官署においては,出頭者に対して出頭確認書を交付し,上記の違反調査を実施する地方入国管理局等への出頭日時と出頭場所を指示します。


Q6 出国を希望する空港にある入国管理局に出頭しても良いのでしょうか。
A    空港にある入国管理局に出頭された場合でも出頭確認書は交付しますが,違反調査等にある程度の時間を要しますので,原則として出頭した当日に出国することはできません。そのため,出国命令を受けて出国したい方は,あらかじめ8か所の地方入国管理局(札幌,仙台,東京,名古屋,大阪,広島,高松,福岡),3か所の地方入国管理局支局(横浜,神戸,那覇)又は2か所の出張所(下関,鹿児島)において所定の手続を済ますようにしてください。


Q7 出頭してから,出国命令を受けるまでには,おおむねどのくらいの時間がかかると考えたらよいでしょうか。
A    出頭された方の状況(パスポートの所持の有無など)にもよりますが,地方入国管理局等に出頭してから出国命令書の交付を受けて出国するまでは概ね2週間程度の日数を要するものと考えられますので,帰国用の航空券等を予約する際には注意してください。


Q8 過去に退去強制歴のない外国人が,不法残留容疑で摘発された場合,「出国命令制度」の適用を受けることができるのでしょうか。
A    出国命令の対象者は自ら入国管理官署に出頭した者に限られますので,入国管理局によって摘発された不法残留者は出国命令の対象とはなりません。


Q9 偽造パスポートを使って入国し,不法滞在していた外国人が自主的に入管局に出頭した場合,「出国命令制度」の適用を受けることができるでしょうか。
A    偽造パスポートを使って日本に入国することは不法入国に当たりますので,お尋ねのようなケースについては,出国命令の対象とはならず,不法入国容疑により退去強制手続を執ることになります。


Q10 出国命令を受けて一度出国した外国人が,上陸拒否期間経過後,日本に入国し,再度不法残留状態になった場合,その外国人は,出頭すれば,再度出国命令を受けることができるのでしょうか。
A    出国命令の対象者は,過去に退去強制されたり,出国命令を受けて出国したことがない者に限られますので,過去に出国命令を受けて出国したことがある不法残留者は出国命令の対象とはなりません。


(面会・差入れ) Q11    面会の受付は何時から何時までですか。
A    面会の受付時間は,土曜日,日曜日及び休日を除く,平日の午前9時から12時まで及び午後1時から4時までの間となっていますが,収容施設の状況によっては,受付時間が一部異なっている場合もありますので,訪問される前に,収容先の処遇の担当官にご確認ください。


Q12    面会や差入れをする際に用意しておくものはありますか。
A    面会や差入れを行う方の身分を確認させていただいておりますので,日本人の方の場合には,自動車運転免許証,旅券,社員証,その他の写真が貼付してあるような身分証明書,外国人の方の場合には,旅券又は外国人登録証明書をご用意ください。


Q13    面会は1日に何回でもできるのですか。
A    面会を希望される方が多くなっておりますところ,限られた時間内に多くの方々に面会していただけるように,原則として,1日に1回とさせていただいていますのでご理解願います。


Q14    面会はどのくらいの時間できますか。
A    面会時間については,1回当たり30分以内ですが,面会希望者が集中し特に多いときなどには,全員が面会できるよう面会時間を短縮して実施させていただくこともありますので,皆様のご協力をお願いいたします。


Q15    電話で被収容者と会話することはできますか。
A    被収容者への外部からの電話の取り次ぎは行っておりませんので,来訪して面会するか又は書信をご利用願います。なお,一部の収容施設では,時間帯によっては被収容者が外部へ電話することが可能です。


Q16    個人名を言えば収容しているかどうか教えてもらえますか。
A    電話による収容事実の有無に係る問い合わせについては,被収容者本人が同意しない場合などは,プライバシーの保護等のためにお答えできない場合がありますので,あらかじめご承知おきください。


Q17    差入れを行いたいと考えていますが,差入れができないものとしてはどのようなものがありますか。
A    一般的に,火を使って加熱調理する必要があるものや常温保存ができず腐食しやすい食品やなどについては,保安上及び衛生上の観点から差し入れをお断りしているものもありますので,詳細については,収容先の処遇の担当官にご確認ください。


Q18    帰国用の航空券の差入れはできますか。
A    退去強制手続の進ちょく状況によっては,せっかく差し入れられた航空券を使用できないこともありますので,帰国用の航空券の差入れを行おうとされる場合には,あらかじめ,収容先の担当官にご確認ください。


Q19    荷物はいくつまで差入れることができますか。
A    航空機に搭乗する際に機内に持ち込める荷物については,多くの航空会社が手荷物1個程度と機内預け荷物20kgまでとされており,これを超える荷物については超過料金が掛かることや本人自身が持ち運べる量や重さを考慮した上で,スーツケース1個程度にまとめて差入れることをお願いしています。


(送還) Q20    退去強制令書が発付されている人を収容する理由は何ですか?
A    入国警備官は,退去強制令書が発付された場合には,被退去強制者を速やかに送還先に送還しなければなりませんが,直ちに送還できないときは,その者を送還可能なときまで収容することができるとされています。
収容する理由は,送還可能なときまで確実にその身柄を確保するとともに,我が国における在留を否定された者の在留活動を禁止する必要があるためです。


Q21    有効な旅券を所持していない被収容者については,どうするのですか?
A    被収容者本人からの申出に基づき,収容されている入国者収容所又は地方入国管理官署の職員が,我が国にある国籍国の外国公館へ旅券発給申請を取り次ぐことになります。


Q22    旅券の発給申請にはどのような書類が必要ですか?また,発給までに要する期間はどのくらいですか?
A    旅券の発給申請に必要な書類は発給国の手続により異なります。また,旅券が発給されるまでに必要な期間についても一様ではありません。


Q23    自費で出国する場合には,帰国用航空券の購入や帰国便の予約は自由にできますか。
A    航空券の種類によっては予約等の変更ができないものがあり,退去強制手続の進ちょく状況によっては,せっかく準備した航空券を使用できないこととなる場合もありますので,帰国用航空券を準備しようと考えている方は,あらかじめ,入管局の担当官にご確認ください。


Q24    仮放免許可を受けて自費出国することになりましたが,出国予定便に乗り遅れてしまいました。どうしたらいいですか。
A    自費出国許可を受けた方が,搭乗予定便には乗り遅れたものの,出国予定空港に到着している場合は,空港内にある入国管理官署に出頭し,その後の対応についての具体的な指示を受けてください。
また,自費出国許可を受けた方が急病等のため,出国予定便に搭乗することができないことが明らかになった場合は,自費出国許可を受けた地方入国管理官署へ連絡を行った上で,対応についての具体的な指示を受けてください。


(仮放免) Q25    仮放免許可の基準はありますか。
A    仮放免申請の許否についての基準はありません。
仮放免の申請があった場合には,入国者収容所長又は主任審査官が,収容されている方の情状及び仮放免の請求の理由となる証拠並びに収容されている方の性格,資産等を考慮して総合的に判断し,身柄の拘束をいったん解く必要があると認められたときに,仮放免を許可することとなります。

 
Q26    仮放免に付される条件にはどのようなものがありますか
A    住居の指定,行動範囲,出頭の義務,仮放免の期間のほか,仮放免許可を受ける方の事情に応じた条件が付されます。


Q27    仮放免の保証金の額は,どのように決定されるのですか。
A    保証金の額は,入管法第54条に「300万円を超えない範囲で定める額」と規定されておりますところ,入国者収容所長又は主任審査官は,保証金を納付する方の資力と仮放免される方の出頭を確保するための担保措置として十分かどうかという点を判断し,保証金額を決定しています。


Q28    仮放免中に指定された行動範囲外の場所へ出かける必要が生じた場合は,どうすればいいのですか。
A    仮放免許可書に記載された行動範囲外の場所へ出かける必要が生じた場合には,事前に,指定された住居地を管轄する地方入国管理官署の主任審査官に対し,一時旅行許可の申出を行ってください。
申請に当たっては,身元保証人と連名による一時旅行許可申請書のほかに,旅行の目的,必要性,旅行に要する期間等を明らかした書類を提出しなければなりません。
なお,詳細については,指定された住居地を管轄する地方入国管理官署へお尋ねください。


Q29    仮放免中に働くことはできますか。
A    退去強制令書が発付されている方については,我が国における在留が認められず退去強制されることとなったものであり,送還までの身柄の確保と我が国における在留活動を禁止する必要から,入国者収容所又は地方入国管理官署の収容場に収容しているものです。仮放免許可により身柄の拘束が一時的に解かれた場合であっても,退去強制令書が発付されていることに変わりはありませんので,稼働することはできません。


(在留特別許可) Q30    在留特別許可の基準は何ですか。
A    在留特別許可に基準はありません。
在留特別許可は,入管法第24条のいずれかに該当し,本来,我が国から退去される外国人に対して,法務大臣が特別に在留を許可するものですが,その人が在留を希望する理由,どのような違反をしたか(違反の態様),素行,家族状況や生活状況はどうか,また,国内外の情勢,さらには許可・不許可にした場合に他に与える影響はどうかなど,諸般の事情を総合的に判断して決められます。
なお,退去強制は,入管法第24条に定める退去強制事由のいずれかに該当した場合に限って受ける処分であり,退去強制事由は,不法入国,不法残留,あるいは法令違反で有罪判決を受けたり,懲役又は禁錮1年を超える刑に処せられた人など,いずれも日本社会にとって好ましくない人が対象となっています。


Q31    日本人と結婚すれば必ず在留特別許可になるのですか。
A    必ずしも許可になるとは限りません。
在留特別許可は,本来であれば退去強制されるべき人に対して特別に本邦での在留を認めるものですが,日本人と結婚していれば必ず在留特別許可になるものではありません。日本人との婚姻の実態があるかのかどうか,素行,生活状況など他の事情も総合的に判断してその許否の決定がなされます。


Q32    子どもがいれば必ず在留特別許可になりますか。
A    これも必ずしも許可になるとは限りません。
日本社会において,日本人と婚姻し,継続的・安定的な家庭を築いているとか,日本人と血縁関係のある子どもがいるということは考慮される事情とはなり得ますが,養育されている実態があるのかどうか,素行,生活状況など他の事情も総合的に判断してその許否の決定がなされます。


Q33    在留特別許可の申請から許可まではどれくらいかかりますか。
A    在留特別許可は,「申請」を行って許可されるというものではありません。
在留特別許可は,一連の退去強制手続(入国警備官の違反調査,入国審査官の違反審査,特別審理官の口頭審理)を経て,法務大臣が本来退去強制されるべき人であっても,本人が我が国での在留を希望する場合に,諸般の事情を総合的に考慮・判断されるものです。
現在,在留特別許可を求める人の数が急増していることに加えて,一つ一つのケースがそれぞれ異なっており,慎重に調査を必要とするものや,家族状況などを見極める必要のあるものなどもあり,結果が出るまでの期間について一概に申し上げることはできません。


Q34    強制送還とは非人道的な取扱いなのではないですか。
A    我が国には,平成17年1月1日現在で約24万人の不法滞在者が在留しております。これらの人々の大部分は,不法入国や不法残留が法違反であることを承知の上で滞在しているものであり,治安の悪化を招くなど我が国においても大きな社会問題となっております。   退去強制(強制送還)は,出入国の公正な管理を図るための措置として,我が国の社会にとって好ましくないと認められる一定の外国人を所定の手続に従って国外に退去させるもので,非人道的な取扱いに当たるものではありません。   また,社会にとって好ましくないと認められ,強制的にも我が国から退去させるべき外国人はその事由別に法律上に列挙され,退去強制手続に関して,特に慎重な手続が定められています。

■保護又は帰国支援した人身取引の被害者数(平成20年)
 国  籍  人身取引の被害者   合計
 正規在留者  入管法違反者
 タ        イ

 5

 13

 18

 フ  ィ  リ  ピ  ン

 4

 2

 6

 台       湾

 2

 0

 2

 韓       国

 0

 1

 1

 バングラディシュ

 0

 1

 1

 総  数

 11

 17

 28

(注)1 正規残留者11人の在留資格の内訳は、
     短期滞在       4人
     興行          3人
     日本人の配偶者等  3人
     特定活動        1人
   2 在留特別許可した17人の違反形態は、
     不法入国           10人
     不法残留(短期滞在から)  7人  
※平成20年に人身取引の被害者と認定して保護の手続を執った外国人は28人(全員女性)で、入管法違反となっていた17人全員を在留特別許可とした。
※近年の傾向として、被害者の逃走や通報防止のための管理支配体制の巧妙化、被害者に被害性を自覚させない管理手法の変化などにより、人身取引の被害が表面化しにくくなっている。
※加害者と認定された外国人9人(女性8人)を退去強制した。

http://www.moj.go.jp/NYUKAN/nyukan85.html


在留特別許可に係るガイドラインの見直しについて

平 成 2 1 年 7 月         法務省入国管理局  

 

   法務省入国管理局においては,平成17年3月に策定された第3次出入国管理基本計画及び同18年3月31日に閣議決定された規制改革・民間開放推進3か年計画を踏まえ,平成18年10月,在留特別許可に係るガイドラインを策定・公表しましたが,同21年7月8日,第171回通常国会で可決・成立しました出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律の衆議院及び参議院での審議において,附則第60条第2項として修正追加された1項を受け,同ガイドラインの見直しを行い,添付ファイルのとおり新たに策定しましたので,これを公表します。

  在留特別許可に係るガイドライン【PDF】

(参考)
○ 第3次出入国管理基本計画(平成17年3月)
 2  強力な水際対策の推進及び不法滞在者の大幅な縮減を通じた我が国の治安を回復するための取組
 (6 )法違反者の状況に配慮した取扱い
   ア  我が国社会とのつながりを踏まえた対応
 …在留特別許可に係る透明性を高めるため,…他の不法滞在者に及ぼす影響等に十分配慮しつつ,在留を特別に許可する際のガイドラインについて,その策定の適否も含めて,今後検討していく。
   
○ 規制改革・民間開放推進3か年計画(再改定,平成18年3月31日閣議決定)
 3  外国人移入・在留
 (3 )永住許可及び在留特別許可に係る運用の明確化・透明化
   ②  在留特別許可されなかった事例の公表並びに在留特別許可のガイドライン化
【平成18年度検討,結論】
 …透明性・公平性を更に向上させることを指向して,在留を特別に許可する際のガイドラインの策定について総合的な観点より検討し,結論を得る。 
   
○ 出入国管理及び難民認定法及び日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法の一部を改正する等の法律 附則第60条第2項
     「法務大臣は,この法律の円滑な施行を図るため,現に本邦に在留する外国人であって入管法又は特例法の規定により本邦に在留することができる者以外のものについて,入管法第50条第1項の許可の運用の透明性を更に向上させる等その出頭を促進するための措置その他の不法滞在者の縮減に向けた措置を講ずることを検討するものとする。」

 

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